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『けものフレンズ』アプリ開発者対談。関係者全員からあふれる『けもフレ』愛が止まらない!

 セガゲームスから配信中のiOS/Android用アプリ『けものフレンズ3』。本作の特集記事第4回をお届けします。


 どうもこんにちは、フリーライターの原 常樹です。

 いよいよ本日3月24日、アプリ『けものフレンズ3』がハーフアニバーサリーを迎えました! おめでとうございます!!

 これを記念して、なんと『けものフレンズ』のアプリゲーム開発に携わるクリエイター対談が実現! 2015年3月~2016年12月にサービス展開したネクソン版『けものフレンズ』のシナリオライター・釼持竜太郎氏と、セガゲームスから配信中の『けものフレンズ3』のディレクターにお話を伺いました。



 前回のインタビュー記事と同様、ラッキービースト越しの対談となりましたが、開発秘話から『けものフレンズ』というコンテンツに対する愛までたっぷりと語っていただきましたので、ぜひご覧ください!(※インタビュー中は敬称略)

『けものフレンズ3』特集記事一覧

動物は見る人によって捉え方が変わる題材

――今回はなんと、2015年~2016年にネクソンさんから配信されていたアプリ『けものフレンズ』(以下:ネクソン版『けものフレンズ』)で開発の中軸にいらっしゃった釼持竜太郎さんと、アプリ版『けものフレンズ3』&アーケード版『けものフレンズ3 プラネットツアーズ』のディレクターさんとの通信がつながっているラッキービーストに遭遇! お二方は面識がまだないということですが、ラッキービースト越しにそれぞれ自己紹介をお願いできますでしょうか!

釼持竜太郎(以下、釼持):ネクソン版『けものフレンズ』で、コンセプトデザインの吉崎観音先生やKADOKAWAの担当者の方、開発・運営スタッフの方と一緒にゲームの世界観やキャラクター設定、ストーリー制作をライターとしても、ディレクターとしても担当させていただきました。その際、フロンティアワークスに登録しているいろいろなライターさんにもご協力いただきまして、みなさん持ち前の個性を爆発させていろんなストーリーを作らせていただきました。

ディレクター(以下、D):先日も電撃オンラインさんのインタビュー記事でもお話をさせていただきましたが、アプリ版『けものフレンズ3』とアーケード版『けものフレンズ3 プラネットツアーズ』でディレクターを担当しております。開発初期に世界設定を検討する際、ネクソン版『けものフレンズ』のテキストもメチャクチャ読み込ませていただきました!


釼持:たしかに『けものフレンズ3』を遊んでいると、丸裸にされている感覚になるというか(笑)。奥の奥までテキストを読み込んでくださっているんだなとうれしくなります!

D:いえいえ! ネクソン版『けものフレンズ』で展開されたストーリーの物量と、個々のキャラクターの濃さからはものすごい熱量を感じましたし、それを踏まえてプロジェクトを展開するというのはある意味で“指針となってくれるものが目の前にある”ような感じでありがたかったです。

――今でこそ広く世の中に知られている『けものフレンズ』プロジェクトですが、釼持さんが開発に関わり始めたときはプロジェクトからどのような印象を受けましたか?

釼持:最初にお話をいただいたときに、すでに吉崎先生が描かれたイラストが何点かと、あと世界観のイメージイラストみたいなものがあって「こういうのをやりたいんです」と……。いや、もうあの吉崎先生の美麗なイラストが目の前にあるわけですからメチャクチャ興奮しましたね! セルリアンのイラストもありましたし、戦って勝つと“ぱっかーん”するという描写もすでにあって。

D:(持参したアニメ『けものフレンズ』オフィシャルガイドブックを広げて)これですね!

釼持:あっ、それです! 一瞬で出てくるとは読み込み方がやはりすごい(笑)。

D:ぱっかーんはかなり初期からあった設定なんでしょうか?

釼持:ええ。こちらに話が来る前に開発スタッフの間でどんな練り込みがあったのかはわかりませんが、たぶんそうかと……。あれを見たときはおもしろいなと思いましたし、プロジェクト自体もなかなかない試みだったので胸躍るものがありました。

――ディレクターさんの中でネクソン版『けものフレンズ』のファーストインプレッションはいかがでしたか?

D:正直なことを言うと、もともとネクソン版『けものフレンズ』のユーザーでした(笑)。

一同:やっぱり!(笑)

D:動物の擬人化も好きでしたし、吉崎先生のキャッチーなキャラクターが目に留まって遊んでいたので、まさか開発をされていた釼持さんとこうやってお話する日が来るとは……。感無量です!

釼持:ナンバリングタイトルの垣根を越えてお話をできるというのはおもしろいですね。『けものフレンズ』は動物を題材にしていますが、動物って見る人によって本当に捉え方が変わる題材なので、ほかのクリエイターさんと話していると発見することも多いんですよ~。

――見え方が変わる……ですか。

釼持:ええ。インターネットや図鑑で調べたら似たような説明文が出てくるケースが多いのに、動物園で見てみるとまったく印象が違うし、それも人によってバラバラ……。そんな“自分はこう見える”というクリエイターさんの視点の違いがダイレクトに反映されるからこそ、誰かと一緒に作っていても楽しいし、ほかの方が作ったものを眺めるのも楽しいんです。

D:もう、ただただうなずくことしかできません! 『けものフレンズ3』でもいろいろなクリエイターさんにイラストをお願いしていますが、「この方はこういう捉え方をしているんだ」という発見もすごく多くて。それで私たちの中の世界も広がっていくんです。

釼持:『けものフレンズ3』のフォト、いいですよね! ロッカーとか乗り物とか小物とか、設備までちゃんとフォトに描かれていて、よりジャパリパークを身近に感じられた気がします。

D:それこそ、フライ先生が描かれていたコミック版『けものフレンズ ようこそジャパリパークへ』では、菜々ちゃんというキャラクターを通じてジャパリパーク職員の日常風景を見せていたので、そのあたりもうまくつながりを見せられたらいいなと。ほかにもネクソン版『けものフレンズ』のシナリオを参考にさせていただいたフォトイラストもたくさんあるので、ぜひそちらも注目していただきたいです。


『けものフレンズ』は子どもも大人も楽しめる作品

――『けものフレンズ』といえば、プロジェクトに接するうちに実際の動物の知識を積極的に取り入れたくなるという部分も特筆すべき魅力かと思います。

釼持:たしかにネクソン版『けものフレンズ』の運営に携わっているときに「ユーザーさんたちが動物園でオフ会をしているよ」と聞いたときは、本当にすごいコンテンツだなと感じました! 私自身も久々に動物園に行ったらメチャメチャ楽しくて! 気がつけば、妻とサファリパークに足を運ぶようになりました。

D:コンテンツと紐づくことで動物園もさらに楽しくなりますよね。

釼持:こういった擬人化タイプのコンテンツは、最初にキャラクターが好きになったときに掘っていく先があるというのは大きなポイントですよね。

 たとえば、サーバルやドールが好きになったときに動物の知識を拾うのはすごく楽しいですし、場合によっては会いに行くこともできちゃう。しかも、会いに行った先には一匹だけじゃなくて複数の個体がいたり、そんな動物たちの生活を眺めたりしていると彼らの見え方も大きく変わってくるんです。また、意外と情報がない動物もいたりするので知識欲を刺激される部分もあります。

D:『けものフレンズ3』のずかんでは、ナショナルジオグラフィックさんから提供いただいた写真を掲載させていただいているのですが、画像データベース上ですら希少な動物もたくさんいたりして……。そんな中でも良い写真を用意してくださるナショナルジオグラフィックさんには、大変感謝しております。

――ツチノコみたいにNO PHOTOのフレンズもいますが……。

D:UMAは仕方がないところです(笑)。でも、動物の場合は1枚でも写真があるとイメージも膨らむのでなるべく載せたいなと。

釼持:『けものフレンズ3』のずかんを最初に見たときは驚いたんですが、生の動物の写真とフレンズの顔が並ぶと「こういうところに動物の特徴が反映されたのか!」という発見がありますよね。

D:そうなんですよ。ずかんには写真のほかに、ネクソン版にもあったレッドリスト(IUCNによる保全状況)も掲載していまして、それによって「えっ、この動物って絶滅寸前なの!?」みたいに気づくキッカケになればと思っています。

――まさにドールなんかは絶滅が危惧される動物なんですよね。

D:普通に暮らしていてもドールという動物の名前はなかなか耳にしませんし、開発段階でユーザーを集めてテストプレイをしたときも「ドールってなに?そんな動物いるの?」って必ず言われたんです。だからこそ、写真込みのずかんを入れようと思ったんです。

 実際のドールを知ろうにも、日本では現在『よこはま動物園ズーラシア』さんでしか会えませんしね。結果的に興味を持った方が「ちょっと調べてみよう」とか「会えるなら行ってみよう」と考えるキッカケになったら、こんなにうれしいことはありません。


釼持:ドールは日本で見られるだけいいというか、『けものフレンズ』にはもう日本ではお目にかかれない動物のフレンズもたくさん出てきますよね。海外に生息していてどうしても会いたいというのであれば、もう現地に行くしかないです(笑)。

D:実際、『けものフレンズ』にハマって、日本の動物園では見られないチベットスナギツネに会うために海外に行った方がいるという話は聞いたことがあります。いずれにしても、こういった形で動物の魅力を伝えられるコンテンツってそうはないんじゃないでしょうか。

――小さいお子さんの教育にもよさそうなイメージがあります。

釼持:以前に『けものフレンズ』のライブにお邪魔したときに、ちっちゃい子が一生けん命ペンライトを振っているのは見たことがありますね。

D:私も東武動物公園さんのコラボ企画に足を運ばせていただいたんですけど、おそらく『けものフレンズ』をまったく知らないであろうご家族の女の子がオオフラミンゴのパネルを見て「超かわい~!」って言っているのを目撃しました。吉崎先生のイラストがそれだけキャッチーというのもありますが、元の動物と見比べることで“なぜそういうデザインになっているのか”という楽しみもあって、素晴らしいコンテンツだなと改めて実感しましたね。

釼持:小さい子でも楽しめるし、もちろん大人でも楽しめるというのは、ずっと担保されている部分だと思います。

D:ネクソン版『けものフレンズ』のシナリオはまさにそうだったと感じます。フレンズが自由気ままなアニマルガールとして魅力的に、とても“らしく”存在しているんじゃないかなと感じます。

釼持:そう言っていただけるとうれしいです。シナリオを展開していく上で軸になったのは“どこまでもフレンズのお話”であるということ。けものがみんな友だちになったらどうなるのか、けものが人の文化に混ざっていったらどうなるのかとか。基本的に、とにかく遊ぶだろうと想像できましたけど(笑)。冷静に考えると人も含めて、違う種族のフレンズ同士が群れを作っていくというのはおもしろい要素ですし、“『けものフレンズ』とはそういうお話なんだ”ということを忘れないように制作していました。

▲オオフラミンゴ。

D:メインストーリー終盤のシナリオもすごかったですよね……。

釼持:ネクソン版『けものフレンズ』が閉じることが決まったものの、そのまま1年置いておくというお話をいただいた時点で「すごいプロジェクトだな」とは思いました。一方でラストはずっとフレンズたちと冒険をしてきてくださったユーザーさんを裏切らない形にしなければならないなとも感じましたし、そのためにも関係者全員が総力戦で当たっていたという記憶があります。

――現場にいる全員が愛にあふれるプロジェクトだからこその形ですね。

釼持:まさにそうだと思います。アプリに登場するアイテムの説明も実はライターではなく、開発スタッフさんが書かれていたんですが、これがまたおもしろくて!(笑) そのたびに、この方たちは本当に『けものフレンズ』が好きなんだなと実感させられました。ときには「この動物を調べてきたんだけど、こういうところを出したいんだ!」という主張も飛び交う現場でしたし。

D:『けものフレンズ3』はネクソン版『けものフレンズ』を踏襲している部分がありますが、地続きであるということを前提にしているわけではありません。アニメなどから『けものフレンズ』を知ったというユーザーさんもすんなりと入って来られるように間口を広く設けつつ、でも、興味を持って調べた方が「どうやらネクソン版『けものフレンズ』の頃に積み上げられたフレンズの魅力や関係性がバックボーンとしてありそうだぞ……」と気づいてバーッと世界が広がるような、そんな余白は設けています。

 さらにただ踏襲しているというだけではなく、そのバックボーンから時間を経てフレンズたちが“変化している”というところも描きたいという気持ちはありますね。フレンズストーリーの中には、のちの時間軸と思しき作品につながるような描写も混ぜ込んだりしていますし。

釼持:いや、もう本当に『けものフレンズ3』は本当に愛を持って提供されているコンテンツという印象ですね。シナリオについて語りだしたらもう止まらなくなりそうで(笑)。そもそも要求されていることが難しいと思うんです。それを見事にやりきっていて。

D:たしかにフレンズを描きながら物語も描くのは本当に大変で……。「きっとネクソン版『けものフレンズ』のときも大変だったんじゃないかなぁ」なんて思っていたんですけど。

釼持:いえ、むしろネクソン版『けものフレンズ』のときは、先達がいないのでいろいろなパターンを試してみたり、その上でアップデートしたりもできたんですけど、『けものフレンズ3』はいろいろなメディアとの整合性があるからそうはいかないじゃないですか。一発で合わせなきゃいけないというのはかなり難しいと思います。


D:その難しさはありますね……。

釼持:でも、まったく外していないのはすごい。メインストーリーの中ではわりと大変なことも起きているはずなんですけど、フレンズたちはどこかのんびりと構えていて(笑)。あの子たちにとっては“大事なものがなくなった”とか“友だちになりたい”とかそういった悩みの方が先に来るからこそ共感しやすいんですよね。

 しかも、それだけで終わらずに“パークを取り巻く大きな事態も動いている”ということもしっかり伝わってくる。キャラクターの魅力に引っ張られるわ、パークで何が起きているのか続きが気になるわ……で逃れられません(笑)。いや、本当にすごいです!

D:メインストーリーを担当してくれているシナリオライターの熱量も半端じゃないので、全身全霊のプロットとテキストが表現されているなと私も感じています。当然シナリオができあがると私のところに「確認してくれ」とまず送られてくるわけですが、変な話、確認するたびに私感極まって泣いちゃうんですよ。

一同:(笑)

――シナリオの破壊力があるという証左ですよね。

D:シナリオチームの指針については、今さっき釼持さんがおっしゃってくださったようなポイントをしっかりおさえるという方向性で間違いありません。シナリオシーンの演出も含めて、入念に打ち合わせをしながら作業を進めている最中です。

釼持:『けものフレンズ3』はシナリオ以外の部分にもすごくこだわりがつまっている印象で……。とくに衝撃的だったのは“ちからくらべ”。セルリアンにやられたフレンズは地面に突っ伏す感じになりますが、“ちからくらべ”でやられたフレンズは体育座りでたまに応援したりもする。言ってしまえば、わざわざやられ方を2パターン用意するという細かすぎる作り込みは正直、目を疑いました(笑)。


D:おっしゃるとおり、ゲームの文脈でいえば、負けたキャラクターは地面に突っ伏したり、姿を消してしまうのが普通です。でも『けものフレンズ』の文脈でいえば、そうじゃないし、むしろフレンズたちの魅力をアピールできる場なんじゃないかなと。同時に勝敗がフォーカスされすぎるのも違うと思ったので、結果に関わらず、みんなで仲よく打ち上げをしながら「おつかれさま」と表示される形にしました。

釼持:あの描写にも並々ならぬこだわりを感じます(笑)。

D:ただ、その分だけモーションやエフェクト、小物や演出の工数は大幅に増えることになります。ゲームの文脈に慣れているほど、「何を言っているんだ?」と思われておかしくないはずです……。開発のチームメンバーからも、そう思われたかもしれないなと。

――「わざわざバリアなんか張らなくてもいいじゃん」といった形で?(笑)

D:そうですね(笑)。でも、今回の現場ではあらかじめ「その工数は無駄じゃない」という説明をすることができましたし、その上でチームメンバーが理解を示してくださったのは大変ありがたいです。

釼持:バトルのモーションの作り込みもすごいですよね。ひとつひとつのアクションにこだわりを感じますし……。そういえば、たいきスキルが発動したときって普段とはモーションが少し変わったりします?

D:はい。そこはフレンズごとに専用のモーションが表示されるようになっています。

釼持:やっぱり! 画面の端っこでギンギツネが道具をいじり始めたときは「えっ……!?」ってなりました。


D:あのモーションにはそれぞれちゃんと意味がありますし、そこに気づいてくださっているユーザーさんもいて大変ありがたいことだなと思っています。

釼持:そういったアクションからもそうですし、フォトで小物類までしっかり描かれていたこともそうですけど、やっぱり『けものフレンズ3』は奥行きがとんでもない。ちょっと枠の外を覗こうと思ったらドンドン世界が広がっていくので……。背景のこだわりも尋常じゃありませんし。

D:『けものフレンズ』のタイトルは、一貫して“パークが身近に実在する”という感覚を大事にしていると思いますし、あれだけキャラクターにこだわって背景が雑だったら台無しになってしまうなと。まだまだ落とし込み方は研究している最中なんですけど。

釼持:カメラの見せ方もうまいというか、臨場感があっていいですよね。音楽もすごくよくて、バトル中に聴いているとすごくテンションが上がります。

D:BGM制作はアニメで劇伴を担当しておられた立山秋航さんにお願いさせていただきました。それに加えて弊社の音楽チームにもサウンドを作ってもらっています。音楽チームのスタッフの口から直接聞いたことはありませんが、あまりにピッタリとニーズに合っている曲を仕上げてくるので、絶対に『けものフレンズ』が好きだろうと確信しています(笑)。

フレンズにレアリティを付ける難しさ

――これまでコンテンツに携わってきて、お二方の中でとくに印象に残っているフレンズも教えてください。

釼持:ネクソン版『けものフレンズ』の時点で400種類近いフレンズがいましたし、今はそれよりもさらに増えていてメディアによって出し方も違うとなるとなかなか絞りづらいんですが……あえて挙げるならばトキでしょうか。

 “歌が下手”という特色もメディアによって表現方法が多種多様ですし、ゲームの『けものフレンズ3』ではあんな感じ。展開中の『ようこそジャパリパーク』でも春日森(春木)監督が巧みに表現されていて、先ほども言った“クリエイターによって動物の捉え方が変わる”というおもしろさを体現しているフレンズだと思います。あと、うちの妻が佐渡ヶ島出身なので(笑)。


――佐渡といえば土地柄的にもシンボリックな鳥ですものね(日本で最後に野生のトキが生息していた地域)。

釼持:そうなんですよ。妻も羽根を広げたときがすごくキレイで写真を撮りに行ったそうで……あと、直接聞いても声が汚いと(笑)。そんな話を聞いていたので、最初にフレンズのトキのデザインをいただいたときに「絶対に歌が下手ですよ!」と提案させていただいたりしました(笑)。

 ユーザーとして『けものフレンズ3』を遊んでいるとどんどん好きなフレンズも増えてきていて、×ジャパリ団なんかは“かわいい&おもしろい”ところにすっかり魅了されました。ドールもマイルカも魅力的だし、オグロヌーやオジロヌーの「ぬ~」もポーズと相まって最高にかわいい! メインストーリーに出てくる子たちはひとりひとりが魅力の集合体で、掘ろうと思えばいくらでも掘れますよね。作る側からしたら大変だと思いますけど。

▲トキ。

D:たしかにそうです(笑)。

釼持:イベントシナリオで本領を発揮するような子もいますし。あっ、『けものフレンズ3』ではイベントシナリオをあとから読み返せるのもありがたい機能ですね。

D:やっぱり、あとからアプリを始めた方が話題についていけないとちょっと寂しいじゃないですか。「せっかくだから読めるようにしちゃってもいいんじゃない?」ということでこちらの機能を搭載することになりました。それこそ一番最初のイベント『ブラックジャガーパーク建設中!』がご好評いただきましたが、イベント復刻まで待ってと言われてもみんなが待てるとは限らないわけですし。

――イベントシナリオも独立しているように見えて、別のイベントとつながっていたりもしますもんね。

D:そうなんですよ。『闇と舞え!漆黒のダークネスひな祭り』のイベントシナリオをご覧になった方は、きっとブラックジャガーの成長も感じ取ってくださったんじゃないでしょうか。

釼持:ちなみにディレクターさんの好きなフレンズは?

D:えっと……うーん、強いて挙げさせていただくならば、やっぱりサーバルですかね。彼女は『けものフレンズ』というプロジェクトの顔であり、ほぼすべてのメディアで存在が確認できるフレンズ。全体を楽しむための一本の“道”でもあるので、すごく魅力的に感じます。私自身もネクソン版『けものフレンズ』から入った人間なので、一途で類まれなるかわいさと、とてつもないおバカさは彼女の大きな魅力だなと。

釼持:ありがとうございます。ちなみにメインストーリーの最終話エピローグで、アドベンチャーパートでは初めてサーバルの台詞がボイスで出るんですが、あのセリフは開発・運営側のスタッフさんからいただいたものなんです。

D:野中藍さんのボイスも本当に素敵ですよね。ネクソン版『けものフレンズ』のサーバルを基点にほかのメディアのサーバルを見るとまた違った魅力が感じられますし、同じようにPIP、PPPにもついつい注目してしまいます。

▲サーバル。

――PIP、PPPのメンバーたちもあらゆるメディアで登場しますよね。

D:そうなんですよ。「『けものフレンズ3』のあのシーンは、舞台『けものフレンズ』や『PPPのゆるぺぱ!』のあの場面と重なって見える」みたいな感想を持ってくださったユーザーさんもいらっしゃったみたいですが、そうやってクロスオーバーで楽しめるというのも彼女たちのよさなんじゃないかなと。もちろん、“そういう楽しみ方もできる”のであって“クロスオーバーしないと楽しめない”という本末転倒なことにならないようには気をつけています。

――フレンズといえば、アプリ『けものフレンズ3』では空想上の存在をモチーフにしたオイナリサマもついに登場しました。

D:オイナリサマや四神は“守護けもの”という位置づけに当たり、ネクソン版『けものフレンズ』から登場する存在なんですよね。ツチノコなどの“UMA”もそうですが、SF的な味つけをできるフレンズを登場させたというのは世界観を広げる上でもすごい試みなんじゃないかと私は思っています。


釼持:実は最初にいただいた絵の中に、オイナリサマやキュウビキツネのイラストがあって登場させることは決まっていたんですよ。ストーリーが後半に差し掛かり、プロジェクト全体でSF要素の強いフレンズに対しても広くアプローチをしていこうという感じになったことで“守護けもの”をフィーチャーすることになりました。

▲オイナリサマ。
▲キュウビキツネ。

――SF的な存在としては『けものフレンズ3』で登場したシーサーバルも特異な存在です。

D:もともとは“オキナワチホー”で発売された限定グッズから登場した、サーバルの系譜を感じるフレンズですね。“シーサーバル道場”のストーリーを読まれた方はわかるかと思いますが、突然出てきて意味深なことを言い出したかと思いきや、そのまま訓練するという流れになっていますね(笑)。まさにSF的な要素が満載の存在となっております。


釼持:それを言ってしまえば、絶滅した動物がフレンズとして存在しているのも不思議ですからね。その延長線として世界が広がっていくのは好ましい形なんじゃないかと私も思います。

――絶滅した動物がストーリー上で重要な役割を果たすというのもグッと来るポイントです……。

釼持:『けものフレンズ3』のジャイアントペンギンなんかはそうですよね。ほかにも絶滅した子たちを登場させるときに、元となった動物の情報を調べたりしたんですが、もうそれだけで涙腺に来るものがあって……。

D:人間の歴史と切り離せないような子たちもいますからね……。

釼持:そんなあまりにも重すぎるバックボーンを持った子たちに「仲よくなろうよ」と言われたら、もう……。


――なんとも人間の業の深さを感じてしまいますね……。それにしても、空想上の存在や絶滅した動物も含めて、これだけ多くのフレンズを被らないように生み出していくというのはかなり大変な作業だったのでは?

釼持:もちろん苦しかった部分もありましたが、一番楽しい部分でもありました。プロジェクト全体の許容範囲が広いので、いいアイデアを出せばすんなりOKが出ることも珍しくありませんでしたし、ユニークなライターさんをアサインしてその個性を爆発させてもらえる土壌があったんです。

 中には資料を探しても一文ぐらいしか記述がない絶滅動物もいますし、イラストレーターさんもよくそんな状況で魅力的にデザインできるものだなと。すごい少ない手がかりから特徴を見出して、それをデザインに落とし込んでいるフレンズも多いと思います。逆に等身が小さいからこそできるデザインもあると思うのが、『けものフレンズ3』では3D化に合わせてフレンズの等身も上がっているので大変そうな印象がありますけど。

D:そこはたしかにちょっと苦労しますね……。等身を上げるときに「それぞれのパーツがどういう意図でつけられているのか」というところをしっかり確認しておかないと誤った解釈になってしまうんです。

 たとえば、アフリカニシキヘビは一見するとパーカーを着ている女の子に見えますが、実はパーカーの紐の先が“蛇の舌”のように二股に分かれています。ここをスタッフの間で共有し損ねると、つるっとした紐のパーカーを着たモチーフが抜け落ちた女の子になってしまう可能性があるんですね……。細部がよく見えるようになるからこそ、もともとのデザインの意図をしっかり汲み取らないといけなくて。

――そういった細かい積み重ねがあるからこそ、等身が変わっても魅力的なフレンズになるわけですね。

▲『けのフレンズ3』のアフリカニシキヘビ。

D:ちなみにアフリカニシキヘビはネクソン版『けものフレンズ』の頃からずっと人気のあるフレンズです。レアリティは高くなかったのですが、チュートリアルミッションで仲間になるようになったのでパーティに入れた園長さんが多かったんですかね。

▲アフリカニシキヘビ。

釼持:それはあると思います。ゲームデザインの話だとレアリティも付けづらいですよね。

D:まさにそこは『けものフレンズ3』でも最初の課題でしたが、どのフレンズも育てる伸びしろがあるような形に落とし込むことになりました。

――ネクソン版『けものフレンズ』では、複数のフレンズたちによるグループも特徴的でした。

D:みんな、グループ大好きですよね! 『けものフレンズ3』を作っていても、特定のフレンズが出たときにほかのメンバーはどうなっているのかと話題になったりもします。“オオカミ連盟”とか。

釼持:開発・運営のスタッフさんから「フレンズたちをグループにしたい」というアイデアをいただきまして、実際にやってみたらたしかにこれはおもしろいなと。けもの同士が友だちになる作品とはいえ、全員が全員すぐに友だちになれるわけではありません。でも、同じ種族だったらコミュニティがあっても不思議ではないし、コミュニティごとのストーリーも楽しく作らせていただきました。

D:“チーム・噛んじゃうぞ”とか“エプロン愛好会”とか、ユニークだけどなんとなく動物の顔ぶれがわかるネーミングセンスもすごいですよ。

釼持:開発の中にものすごいネーミングセンスの方がいらっしゃったんだと思います(笑)。

D:グループ以外にも、ネクソン版『けものフレンズ』のストーリー第6章で、フレンズたちがスカイレースに挑むシナリオもありましたけど、そこで猛禽類たちが組んだ“スカイインパルス”なんかは未だに人気があるイメージですね。

釼持:フレンズたちがチームを組んでレースに挑戦するという描写はスタッフ間でも人気が高くて、いろいろな人と一緒に制作した記憶があります。どのチームが、この時点では何位でと積極的に考えてくださる方や、中には「ウグイスの俳句は僕が担当していいですか?」と言ってくださる方もいました(笑)。やっぱりレースは想像の余地があるから楽しいんでしょう。

D:じゃあ、飛べないフレンズたちはどうするのかと思ったら……まさかの足漕ぎ! あの様子がアニメ『ようこそジャパリパーク』で見られて感動しました(笑)。

釼持:「コノハちゃん博士とかギンギツネとかがなんとなく機械を作る設定にしたいんですけど、いいですか?」と吉崎先生に尋ねたら、足漕ぎ飛行機のイラストをわざわざ送ってくださって。ゲームには出せなくてもったいない……と思いつつ、先生も楽しんでくださっているのかなとうれしくなりました。


――たっぷりと語っていただきましたが、そろそろお時間ですので、最後に一言メッセージをいただけますでしょうか。

釼持:インタビューの中でネクソン版『けものフレンズ』は関係者全員が作品愛にあふれているという話もさせていただきましたが、それは現在展開しているあらゆるメディアの『けものフレンズ』作品から感じる空気です。今後もたくさん『けものフレンズ』を楽しんでいただけますと幸いです。

 フロンティアワークスのFCP(フロンティア クリエイターズ プロジェクト)では、さまざまなイラスト・シナリオの制作を請け負っており、イラストレーターさん・シナリオライターさんを募集しております!

 また、FCPのクリエイターさんたちに自分のオリジナルキャラクターのイラスト・小説を描いてもらいながらさまざまな世界を冒険するゲーム『クリエイティブRPG』も好評運営中となります! いろんな世界観が続々登場していきますので、ぜひこちらもお楽しみいただけますと幸いです。

D:すっかりオフ会のような空気になって熱く語ってしまいましたが、これからもアプリ版『けものフレンズ3』、アーケード版『けものフレンズ3 プラネットツアーズ』は引き続き展開を続けていきますので、楽しんでいただけるとうれしいです。

 3月は『けものフレンズ3』ハーフアニバーサリー! アプリ版『けものフレンズ3』でいよいよあのイベントが開催……!? さらに、アーケード版『けものフレンズ3 プラネットツアーズ』では“限定ホロSSRアナザーカード”プレゼントキャンペーンを4月14日まで実施中。ジャパリ団のフレンズカードも登場したので、ぜひ遊んでみてくださいね!

©けものフレンズプロジェクト2G ©SEGA

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