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田中公平さんが語る『新サクラ大戦』音楽の魅力。『檄!帝国華撃団<新章>』やキャラソンへの想いとは!?

 セガゲームスから12月12日に発売されるPS4用ソフト『新サクラ大戦』。本作の楽曲を手掛ける田中公平さんへのインタビューを掲載します。


 『新サクラ大戦』は、太正二十九年の帝都・東京を舞台に、悪と戦う“帝国華撃団”の活躍を描くドラマチック3Dアクションアドベンチャー。新主人公・神山誠十郎が、帝都や世界の平和を守るため、戦う様子が描かれます。

 田中公平さんには、本作『新サクラ大戦』の楽曲の特徴や聴き所を質問。開発当初から最近までさまざまなことをお聞きしています。

主題歌『檄!帝国華撃団<新章>』の誕生秘話とは!?

――2018年のセガフェスで『新サクラ大戦』の制作が発表されましたが、その時の心境はいかがでしたか?

 反響は大きかったです。2018年4月の時点でいつ発売なのか読めないという状況だったのですが、里見さん(※1)がどうしても発表したいということで“タイトル始動”と出しました。その際、私がセガフェスの会場でウロウロしていたら「田中先生がいる、これは『サクラ大戦』の発表だ!」とバレるので、「来ないでほしい」と言われたんですよ(笑)。

※1……セガゲームスの里見治紀代表取締役会長CEO。

――そんなことが……。最初に制作決定を聞いた時はどのようなお気持ちでしたか?

 『サクラ大戦』の歴史は本当に長いんです。作品にかかわっていた人は私も含めてみんな“『サクラ大戦』愛”が強く、どうしても復活させたいと思っていたのですが、いろいろな事情があってできませんでした。

 その間、私はファンイベントや『サクラ大戦』の楽曲でいろいろなことを行い、ずっとつないでいました。横山智佐さん(※2)や島津冴子さん(※3)は『サクラ大戦』のイベントをしたり、ダンディ団(※4)もあったり……復活させたい気持ちは皆同じでした。

 そして2016年、セガフェスの復活してほしいタイトルで1位になって、そこからセガさんの考えが変わったようです。「そろそろ連絡が来るのでは……」と思っていたところに突然、西野君(※5)からメールで「『新サクラ』の打ち合わせがしたい」と来ました。それはもう、本当にうれしかったですね。

※2……帝国華撃団・花組、真宮寺さくら役。
※3……巴里華撃団・花組、グリシーヌ・ブルーメール役。
※4……歌謡ショウから生まれたオリジナルユニット。
※5……(旧シリーズのチーフディレクター)西野陽氏

▲サクラ大戦歌謡ショウの様子。

――ゲームを知らない人にも主題歌『檄!帝国華撃団』(以下『ゲキテイ』)は知られていますからね。

 『ゲキテイ』は皆さん知っているからすごいですよね。例えるならば『サザエさん』の歌を皆さんが知っているのと同じくらい、『ゲキテイ』を知ってくれていたらうれしいです。

――本作の新たな『ゲキテイ』……『檄!帝国華撃団<新章>』は、冒頭やメロディラインがオリジナルと近いのですが、やはり意識して作られたのでしょうか?

 まず最初の打ち合わせで西野君から「田中先生、今回は『ゲキテイ』で行きたいです」と言われたのです。

 これまでにもバージョン違いで4つくらいを作っているので、そのようなイメージなのか尋ねたところ、「『ゲキテイ』は『ゲキテイ』なんですが、新しい『ゲキテイ』で!!」と言うんですよ。どういうことなのか確認したら、「そこは、お任せで」みたいな返事が返ってきました。

――テーマはあるけれども具体的なイメージが固まっていなかったと。

 そうですね。実は過去の『サクラ大戦』シリーズでは、一番分かっている人間である私と広井王子さん(※6)に投げられるケースが多かったので、驚きはありませんでしたが(笑)。

 ただ、『ゲキテイ』をそのまま世の中に出して、古い曲が流れ始めたと思われるのはちょっとシャクじゃないですか。そこで、「おなじみの曲が始まったな?」と思われる一番最初のフレーズに、トランペットの新しい小節を加えています。これは日本を代表するトランペッターのエリック・ミヤシロさんにお願いしました。

 フレーズを被せるように続けざまに奏でると、「新しい曲が始まった。でも『ゲキテイ』だよね」という感じになる。つまり、旧シリーズから新シリーズへの“橋渡しのファンファーレ”になっているわけです。

 次におなじみのフレーズから始まって、「やはり『ゲキテイ』か~」と思わせた瞬間、今度は全然違うメロディが流れてくるんですね。「引き裂いた~闇が吠え~♪」という旧メロディはもちろんいいのですが、少し密度が薄いんですね。

※6……レッド・エンタテインメント顧問にして、『サクラ大戦』シリーズの生みの親。

――密度ですか?


 昨今のアニソン(アニメソング)は密度があってテンポの速い曲が多いため、昨今の若い子はそういう曲に慣れています。そのため、密度を濃くし、音数を増やそうと思ったのです。

 それがあって、「砕け散る~闇に、突き立てろ~刃~♪」とまったく違うメロディが来て、“今風に乗っ取った『ゲキテイ』”のAメロを出しました。この部分は新しいファンへのメッセージで、サビでおなじみの「は~し~れ~♪」に戻ってくる。この「走れ」は今まで応援してくれた人たちへのリバイバルなんですね。

 実は、ここは佐倉綾音さんというすごい才能があってできたことなんです。さくら役の声優が佐倉さんに決まってから、彼女のデモテープや歌を聴いていたところ、“ミの高音”まで強い声で出せる人だったのです。

 もちろん、歌手では出せるすごい人はいるんですが、これはちょっとおもしろいと思いました。「は~し~れ~♪」に被せる「走~れ~♪」の「し~」がミの音なんですけど、これは佐倉さんに向けて書かせてもらったフレーズになっています。

 この部分も橋渡しになっていて、旧来のファンが納得しながら新しい『ゲキテイ』が始まった感じを一発で出せるようになっています。アニソンでは5秒以内が掴みにあたるのですが、「走れ」の部分だけで4秒くらいです。

――作曲の際は普段から“掴みの5秒”を意識されているのでしょうか?

 5秒ということも意識していますし、10年は残すことも意識しています。『ゲキテイ』もそうですし、『ONE PIECE』の主題歌『ウィーアー!』であればもう20年も残っています。

 なぜ残るのかを自分なりに分析するのですが、どんな名曲でも作品がヒットしないと残りません。ヒットしている作品にかかわらせてもらっていることはすごく幸運だと感じているのですが、もう1つの課題は歌い継がれるか、どうかです。

 あまり簡単でもそれほど歌われなくて、難しすぎると歌える人が少なくなってしまいます。そのため、難しいけどカラオケで歌いたくなるような難易度にしてメロディは太く強くします。そのうえでヒットした作品であれば必然的に曲は残っていきます。

――セガフェスでも、『檄!帝国華撃団<新章>』が流れた瞬間に、その場に居合わせた全員が引き込まれる現象がありました。

 もう完全に“パブロフの犬”でしょ?(笑) 

 先ほどの5秒について戻るんですが、CMは「は~し~れ~♪」から入るんですね。その「は~し~れ~」に(はし~れ~♪)が被さると元の曲を知っている人は「なぬ!?」と振り返るんですよ。

 YouTubeのCMも6秒で飛ばせるようになるのでそこまでが勝負。一瞬で聞いた人の心を掴んで、いかに記憶に残すか……それは今回の曲では、すごくうまくいっている、成功していると思っています。

新たな開発体制での曲作りは?

――ゲームとして見ると『サクラ大戦』の開発はかなり久しぶりになりますが、いかがでしたか?


 セガ的にも、名越さん(※7)としても久しぶりであることが問題だったみたいですね。西野君とかは自分たちがやりたかったみたいだし……いずれにしても、名越さんと里見さんと両方乗ってくれないとプロジェクトとしては動かないですよね。

 やはり名越さんに認めてもらえたのは大きいかと。セガという社名を背負っているタイトルなので、旧態依然とした印象のあったゲームをこの時代に出すのはどうなのかという話になったみたいです。

※7……名越稔洋取締役CPO

――開発とやり取りされている中で、これまでと違うなと感じられたことはありました?

 西野君とか寺田君(※8)とかは開発チームにいるのですが、音楽周りは違う人が担っています。旧来のスタッフほどには『サクラ大戦』の歴史を知らないので、曲について違和感を覚えたこともありました。

 ただ、私はその違和感も含めて考えて書いているので、意図を伝えつつ「もう一回聴いてみてください」とお願いしました。最終的に完全なNGは、二小節を加えた1曲だけでしたね。

 一方で、慎重に作業したところもあります。このまま出してもOKというレベルのデモテープをシンセで作られていただき、逐一OKをもらってからオーケストラで録ったという工程をふみました。

※8……寺田貴治シリーズディレクター

――田中さんの曲作りにおいて、あらかじめイメージとしてメロディがあるのか、それともテーマをいただいてからイメージを構築していくのか、どちらになるのでしょうか?

 芸術家ではあるのですが、職人的な感覚が多いと捉えています。そのため、「今回はこういう世界観で、こういう楽曲です」と依頼された方がやりやすい。

 先ほどの『ONE PIECE』であれば原作を読んでいたので、「依頼が来ればいいな」と思っていたところに来ました。カモメが鳴いている音とか潮の香り、海賊船が揺れている感じとかをイメージして組み合わせていきました。

 『サクラ大戦』の場合は開発初期から参加していて、広井王子さんと太正時代とはどういうものかを話し合って決めたので難なく書けますね。そのため、曲を頼まれてから平均3日くらいでデモテープを出していたと思います。十何曲作った歌唱曲もほとんど苦戦していませんでした。

――『サクラ大戦』の場合は改めてテーマを作るのではなく、頭にあるモノから新しいものを生み出されるわけですね。

 そうです。ただ20年も経っていると田中公平も変わっているのです。そのため、旧来のファンが聴いた際に「この人、まだ進歩しているな」と思ってもらえるように心掛けました(笑)。昔々の曲を書いてばかりいてもしょうがないですからね。

――大きなスランプなどはなく、作業はスムーズだったんですね。

 『サクラ大戦』に関してはないですね。他の作品では世界観をなかなかつかめなくて、進まなかった案件もあります。その場合でも、世界観をつかめさえすれば作業は早いんですよ。

――今回の曲数について細かな指定があったのでしょうか。


 正直「もう何曲あるねん!」という感じでした(笑)。まずBGMが約50曲で、アニメシーンの曲が約50曲。すべてオーケストラで2~3分、一番長いのは5分くらいだったと思います。歌が14曲なので全部で114曲くらい書きました。制作期間は3カ月か、もう少しだったと記憶しています。

――今回作曲された中で『新サクラ大戦』を象徴するのはどの曲になりますか?

 『ゲキテイ』以外であれば、バトルシーンでかかる『反撃のテーマ』ですね。すごく好きで、コンサートをやる時にはオーケストラで演奏したいと思っています。

――ちなみに、ゲームの本編はご覧になられましたか?

 もちろん流れは全部知っていますが、プレイはできていないので、発売日の12月12日からやりますよ! 楽しみなんです。

――先んじてプレイさせていただいたのですが、第一話から「ここで『ゲキテイ』流すの!?」という盛り上がりがありまして……。

 そういうことでしたら、ここで翔鯨丸発進の音楽が流れるとか、ここでアレが流れるとか……これまでのシリーズを遊んでいた人はきっと涙を流すと思いますね。最後の最後、一番のクライマックスも必見ですね(笑)。

新たな花組メンバーへの印象を明かす

――今回新たに登場するキャラクターをご覧になられていかがでしたか?

 華撃団をどうするのかという議論は昔からあったんですね。今回であれば新しい人でやろうという話になったので、すごくフレッシュな顔ぶれですよね。






 ただ、キャラ的にはポジションが分かるようになってます。例えば初穂はカンナだったり、アナはマリアさんだったりと。


 そんな中で、今までになかった立ち位置が天宮さくらです。真宮寺さくらは正統派ヒロインで、エリカさんはぶっ飛びヒロイン。ジェミニも斜め上をゆく尖った女性でした。アイリスとはまた違った意味での妹キャラの天宮さくらがヒロインに来たのは、なかなかおもしろいと感じています。


 あともう一点、隊長の神山誠十郎がよくしゃべります。『サクラ大戦V ~さらば愛しき人よ~』の大河新次郎は少ししゃべったのですが、大神一郎はほとんどしゃべらなかったので、新鮮です。

――アニメではしゃべりましたが、ゲームではまったくしゃべりませんでしたね。

 こんなエピソードは知っていますか?

 レッドカンパニー(※9)で『サクラ大戦』を作っていた時に広井さんに「大神の声優はいらないのですか?」と聞いたところ、「全然しゃべらないからいらないよ」と言われたんですよ。

 でも、ビデオ(アニメシーン)で4つくらいセリフあったので伝えたところ、急遽、横山智佐さんの縁でたまたまゲームをデバッグしていた陶山章央君に白羽の矢が立ちました。「お前、声優だったな?」「はい、そうです」「ならお前が隊長をやるんだ!」「ボクっすか!? いいっすよ」という感じで決まりました。

 収録を終えてタイトル発売に間に合ったと思っていたら、次は歌謡ショウだ、さらにTVアニメだ、劇場映画だと、ずっと続きました。本人が一番驚いていましたね。

※9……現在の株式会社レッド・エンタテインメント。

――そんなことが……。

 実は彼自身も『サクラ大戦』のファンで、最初のころは『サクラ大戦』のイベントに一般人として並んでいたんですね。舞台の上から見えて、「何をしているの? 上がってきなよ」と舞台に上げたこともありました(笑)。

 『サクラ大戦』ではプレイしている人が大神少尉という流れだったので、あまりしゃべると違和感があると考えていましたが、本作『新サクラ大戦』では神山がとにかくしゃべります。おそらく演じた阿座上洋平君がキャラのなかで一番しゃべりましたね。

――キャラクターソングを聞かせていただいたのですが、それぞれのキャラごとに大きく差別化されていると感じました。

 今回は“新たな花組”ということでキャラクターも初お披露目となっています。そのため、自己紹介のような曲がある一方で、内面も描きたいなと思いました。さくらと初穂とあざみとは自己紹介ソングで、アナとクラリスは内面に沿った曲というように違いを出しています。

 佐倉さんは爆発力がある人で、パーッと録って「ありがとうございました~!」みたいな感じでした。なかなか気っ風(きっぷ)のいい女の子ですね。若いのにおもしろいことを話しますし、雑談していても楽しかったです。

 内田真礼さんは以前から知っていましたが、今回はちょっと無理をさせています。初穂はやはりカンナのような声が欲しいということで一番太いところ出してほしいとお願いしました。あの子の声ではないのですが、頑張ってもらいましたね。

 そういえば初穂の曲にはセガの開発陣や私の「オイサッ! オイサッ!」というかけ声が入っています(笑)。里見さんにも声をかけたのですが、「それはさすがに……」と断られました(笑)。「それなら里見さんのお父さん(※10)では?」と聞いたら「もっとダメです!」と。

※10……セガサミーホールディングス 代表取締役会長グループCEOの里見治氏。

――エンタメ業界には、中の人が参加するようなノリがありますね。

 ありますね! 『OVERMANキングゲイナー』のOPで「キングキング!」というかけ声には富野由悠季さん(※11)入っていますから。混ざっていて、どの声だか分かりませんが(笑)。

 話を戻すと、早見沙織さんはうまかったですね。こちらの思う以上のことを出してくれました。曲を作る前に、いろいろと調べたのですが、ジャズにしてもすごくうまくて驚きました。引き出しがすごく多い人ですね。

 福原綾香さんは、「もう歌えません」くらいのところまで追い込み、頑張ってもらいました。内面的な歌だったので、最後はブースの電気を消して歌ってもらったことを覚えています。

 本人もあそこまで大人っぽい曲を歌うのは初めてだったと。アイドルソングなどやっていますが、それとはまったく違う曲です。ただ、このような曲を歌うと思っていなかったようで、うれしかったそうです。

 そして山村響さん……。彼女はすごくいろいろできると感じました。初めに声を作ってもらったのですが、「どの程度あざみにして、どの程度山村にしましょうか?」とありました。

 まずは五分五分でやってもらったところ、山村さんがちょっと出ていたので、あざみ7:山村3にしてもらったら、今度はあざとかった。そこで「あざみ6:山村4で」と伝えてやってもらいました。そういうこともできるので、彼女もやっぱりいい歌手です。

※11……『機動戦士ガンダム』を始め、さまざまな作品の生みの親。

――海外の華撃団についてはいかがでしょうか。

 この3曲はちょっとすごいですよ。全部が海外版『ゲキテイ』だと思ってください! 上海、倫敦、伯林それぞれの『ゲキテイ』です。もしもスピンオフ作品を作るとしたらそれぞれが主題歌になります。セガさん、作ってください(笑)。

 それぞれ重厚感のある曲ですし、担当された声優さんが、どなたも歌がうまい人でした。



 上坂すみれさんはニュアンスをつけることにすごく苦労していたのですが、仕上がりがすごくよくなりました。最後に聴いた際には「本当に私が歌ったんですか?」って聞いていましたね。



 沼倉愛美さんも上手でした。ものすごく勉強してきて、かなり歌い込んで収録に来てくれたのがうれしかったです。



 田中公平と水樹奈々さんの組み合わせは初なので、「世界が注目するぞ」と言っていました。水樹さんには難しい曲を書くと伝えていたところ、レコーディングから帰ってきた水樹さんの口から「難しい~!!」って(笑)。

 レコーディングを続けて「これでいいですか?」と聞かれた時に、「う~ん、80点。いいけど100点が欲しいよね」と。……見方によっては、いじめにも見えますよね。でも、最後の最後で伸ばしができるのが水樹さんなんです。やはりすごい人でした。

作曲家・田中公平にとっての『サクラ大戦』とは?

――田中さんにとって『サクラ大戦』とはどのような存在ですか?


 ここまで制作の真ん中にいられた作品は、他にないですね。

――それはゲームとかアニメを問わずに……でしょうか。

 すべての作品で、です。『ONE PIECE』であれば尾田栄一郎先生、『ジョジョの奇妙な冒険』であれば荒木飛呂彦先生がいて、そこに東映さんやTV会社がいて、皆で作っていきます。その場合は、チームの一員として、皆さんが納得してくれる曲を書けばいいわけですよね。

 『サクラ大戦』の場合は最初に私と広井王子さんしかいなくて、物語や曲について、互いに話して決めていきます。「今度こんな物語になるんですけど」「ああ、それはおもしろいね」「どこか曲を入れようと思うんですけど……」「じゃあ入れようか」という感じですね。

 曲についても「こんな曲にしたいけど、どう思う?」「ちょっと書いてみよう」と書いて、また次の曲を決めていくみたいな作りでした。それこそ曲ありきで作ったシーンもあるので、作曲家としては他にはない幸せ感がありました。

 立ち位置でいえば、原作者に近いんですよ(笑)。作曲家がその立場に立てるのは絶対になくて、制作の真ん中にいるのは監督にでもならない限り無理です。だから、私にしては幸せな現場だったと今でも思います。

 今回、作詞をストーリー構成のイシイジロウさんがやっている曲もあります。作詞に関しては、プロの作詞家でおなじみの藤林聖子さんはともかく、イシイジロウさんはクリエイターであって作詞家ではないので、初期の広井さんと同じような感覚でした。いろいろとやりとりをして曲になっていくのがまた楽しくて。

――前作の発売から10年以上経ていよいよ発売ということで、現在の心境をお話ください。


 ここまできたと感無量です。本当に長かった……長かったけど、待っていてくれただけのゲームを皆さんにお届けできる自信があります。私もセガさんも本気です!

 オファーが来た時の話になるのですが、セガさんがどのくらい本気なのか分かりませんでした。例えば「予算はこれだけしかないので、オーケストラだけでなくシンセもたくさん使ってください、曲もそんなにたくさんはいりません」とか「歌謡ショウはまた別の機会に……」とかではありませんでした。

 「アニメが決まっています! 舞台もやりましょう!!」とか、他にもまだ言えない展開を含めて、私が思う以上のことをパッケージしていたので「ああ、この人たちは本気だな」とわかったのです。

 それなら本気で応える必要があると考えました。もう私のやることはすべて終わったので、ここからはテレビやラジオへの出演、雑誌などの取材も含めて『新サクラ大戦』絡みの依頼をいっぱい受けています。

――最後に楽曲の面からメッセージをお願いします。


 ゲームも本気ですし、曲も本気。曲の面では、進化した『サクラ大戦』の音楽を聞いてほしいですね。『サクラ大戦』イズムがしっかり入っていて、どこか懐かしい『サクラ大戦』色なんですが、すべて一新したうえで進化しています。

 BGMを含めて、すべてそのように思って書いているので、そういうことを感じ取ってもらいたいです。『サクラ大戦』の新曲を楽しんでください。

 そして、12月14日にはNHK-FMの『アニソン・アカデミー』で、私と富沢美智恵さんが出演予定なので、ファンの方はチェックしてください。

(C)SEGA

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