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【おすすめDLゲーム】『モンスターボーイ 呪われた王国』はアクションアドベンチャーRPGの魅力が詰まった良作

 ダウンロード用ゲームから佳作・良作を紹介する“おすすめDLゲーム”連載。今回はNintendo SwitchとPC(Steam)にて配信中のアクションRPG『モンスターボーイ 呪われた王国(英語名:Monster Boy And The Cursed Kingdom)』を紹介する。


 本作は、アーケードやコンシューマで好評を博したシリーズ『スーパーワンダーボーイ』や『モンスターワールド』などで知られるクリエイターの西澤龍一さんが手掛けた最新タイトル。古代祐三さん、桜庭統さん、山根ミチルさん、小林啓樹さん、柳川剛さんらサウンド陣も豪華の一言で、この時点で感極まってしまうゲームファンもいそうな注目作だ。


 ゲームは2DタイプのアクションアドベンチャーRPG。フィールド内の敵と戦いながら先へと進んでいくわかりやすさ(とっつきやすさ)が特徴のひとつ。タイトルやゲーム画面から伝わるかもしれないが、世界観など全体の作りは『モンスターワールド』シリーズをほうふつとさせる。現代風アレンジともいうべき手書きタッチの丁寧なグラフィックは、表情豊かなアニメーションパターンとともにプレイヤーの目を楽しませてくれる。

 タイトルロゴやキャラクターの配色には往年の“らしさ”が強く感じられ、オールドファンの筆者はついつい頬がゆるんでしまう。

▲ストーリーはとてもシンプル。魔法の杖を使ったイタズラで王国を大混乱に陥れるおじさんを止めるべく、主人公ジンが追いかけていく。
▲手書きタッチのグラフィックが現代的だが、導入部のキャラクターやレベルデザインは往年のテイストあふれる作りでとってもステキ!
▲ショップの入り方や内容に思わず「なつかしい!」と声に出してしまったオールドファンも多いのでは?

 ひとくちに“アクションアドベンチャーRPG”といってもさまざまなシステムがある。本作は敵を倒して経験値を得て成長していくのではなく、アイテムの獲得で体力ゲージや魔法の威力・使用回数などを伸ばしていくスタイルだ。主人公のアクションは移動、ジャンプ、攻撃、魔法がメインで、いずれも操作性は良好。装備などでも主人公は当然強くなっていくが、それ以上に“プレイヤー自身の操作”がなによりも重要で、敵のパターンや状況に応じた行動の最適解を探っていく過程がとても楽しい。

▲経験値による成長ではなく、装備や発見したアイテムなどで主人公が強化されていく。
▲アーケードライクな作品なので主人公の操作=アクションが何よりも重要。

 ゲームを進めていくと、主人公は要所でブタやヘビなどの変身能力を身につけていく。例えばヘビであれば、小さな穴を抜けたり天井や壁などにある特殊な足場をつたって這っていったりと、ゲーム進行に必要不可欠な要素となっており、固有アクションもそれぞれ楽しく仕上げられている。

 ステージ中には、浮遊もしくは動いたり崩れたりする足場、はしご、スイッチ、トラップや障害などのパズルや謎解き要素がふんだんに散りばめられており、それらを前述の変身能力とあわせて機転や発想でクリアしていくのが本作最大のだいご味となっている。

▲道中にはスイッチや特定の魔法などを駆使して先に進んだり隠しアイテムを探したりといったパズルや、謎解きが大量に用意されている。
▲ブタに変身させられてしまった主人公。主な特殊能力は先に進むためのヒントを嗅ぎつけるアクションだ。
▲カエルの変身能力を手に入れられば、吊り輪などに舌を伸ばしてダイナミックに動ける特殊能力を使えるように。

 ゲームを進めていくと要所でボス格の敵が出現するが、これはステージクリア云々というわけではなくストーリー上の“アクセント”のようなもので、ゲームはそこで途切れることなくシームレスに展開していく。

 最初のうちはボス格との戦いもシンプルだが、先々では道中のパズルや謎解き要素よろしく“倒すために必要な手順”が複雑化していく。後述するが、本作はアクションアドベンチャーRPGとしては結構なボリュームがあり、リスタートやオートセーブにあまり融通がきかなくなる後半は、中断や休憩タイミングにも気を配ったほうがいいかもしれない。

▲あちこちで登場するボス。いずれもコミカルなデザインやアクションがとても楽しい。
▲最初のうちは戦い方もシンプルだがゲームが進むにつれボス戦のギミックも複雑化していく。

 筆者は『スーパーワンダーボーイ』や『モンスターワールド』シリーズをリアルタイムに体験した世代。その中でもアーケード『ワンダーボーイ モンスターランド』やメガドライブ『モンスターワールドIV』は今でも大好きな作品で、その理由に“コンパクトさ”が挙げられる。

 アーケード『ワンダーボーイ モンスターランド』は多少コンティニューしたところで1時間もかからないし、『モンスターワールドIV』はマッタリやっても数時間といったところ。「クリアしたらもうおしまい」ではなく、たびたび「おかわり!」したくなる適度なボリュームがとてもよかった。


 下手の横好きレベルの筆者基準で申し訳ないのだが、本作のクリア時間は初見でだいたいトータル20時間前後だろうか。コレクションや寄り道などやりこみ要素を含めると当然もっとかかるわけだが、「まあだいたいこれくらいかな?」といったところ。

 かつてのシリーズ作品に比べると尋常ではないボリュームアップだが、これは世界中の現役アクションゲーマーの全体嗜好に沿ったからではないか、と推察する。(あくまでも筆者の私見で、統計をキッチリとったわけではありません。念のため)。


 ここ十数年来のインディー2D横スクロールアクションは、いわゆるメトロイドヴァニア系の人気が高く、特に好評を博したメトロイドヴァニア系作品の多くは一定以上の探索ボリュームとやりこみ要素を備える。ライトな外観とは裏腹にミルフィーユのように層をなした道中のギミックやボスの手ごたえ。かつてのシリーズ感覚で手を伸ばした筆者は、その現代的アレンジの質量に正直ちょっと驚いてしまった。

 パッと見の雰囲気、世界観、音楽、手触り……シリーズの血脈を感じさせてくれる一方で“今どきのアクションゲーマーの好み”もきちんとフォローしている。アクションゲームが苦手な人には正直オススメしづらい一面もあるが、逆に好きな人にはぜひとも触れていただきたい良作だ。

▲懐かしさはもちろん、近年主流の2Dアクションに求められる要素もきちんと押さえられているのがいい。

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