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稲作とアクションに尽力している『天穂のサクナヒメ』開発者インタビュー。こだわりや影響を受けた作品は?

 米国・ロサンゼルスにて開催された“Electronic Entertainment Expo 2019(E3 2019)”にて、PS4/Nintendo Switch用ソフト『天穂(てんすい)のサクナヒメ』開発者へのインタビューが行われた。

 本作は、武神の父と豊穣神の母を持つ主人公“サクナ”が、立派な稲を育てることで自身も強くなる探索アクションRPG+稲作シミュレーションゲーム。神々の世界、鬼が支配する“ヒノエ島”を舞台に、サクナは戦乱の世を追われた人間たちとともにヒノエ島の調査・開拓を命じられる。

 本作を手掛ける開発者の“なる”さん、“こいち”さんに、魅力的なアクションや、稲作についてのこだわりなどを質問した。

  • ▲ひだりがなるさんで、右がこいちさん。

 なお、インタビュー中は敬称略。

――改めてになりますが、開発を始めたきっかけは?

なる:以前に制作した『花咲か妖精 フリージア』の続編を作ろうということで始まりました。成長要素を足したいと考えて、シミュレーションを加えようと思いました。その中で、村を作りたいと思ったのですが、他のタイトルとかぶってしまう。差別化を模索していく中で、我々の身近にある田んぼをテーマにすることを閃いて、稲作に特化したタイトルにしたらおもしろいというところに落ち着きました。

こいち:日本の方であれば水田は知っているのですが、海外の方からすると珍しいようです。

――海外での反響が大きいと聞いていますが、ターゲットは日本国内向けを考えていたのでしょうか? それとも海外に向けたものだったのでしょうか?

なる:基本は国内向けのタイトルで、それを海外で出すスタンスです。その中で、ユーザービリティ(利便性)など、海外への意識は強く持っています。

こいち:海外で売るために特別な作りをしているのではなく、海外にいる日本のコンテンツが好きな人に刺さるタイトルにしようと思っています。

――以前からそのような意識で開発されていたのでしょうか?

なる:僕は『アスタブリード』あたりから、なるべく海外のゲームからいろいろな要素を取り入れていこうと意識しています。

こいち:『アスタブリード』あたりのタイミングで、海外タイトルのユーザービリティがあがってきました。本作でもそれを継いでいます。

――以前のタイトルと比べて、世界観が色濃く出ているように感じているのですが……。

なる:もともと開発にアーティストがいなかったのですが、『花咲か妖精 フリージア』の途中から、こいちが入ってきました。そのため、『アスタブリード』以降は設定などがより濃くなっているのだと思われます。

――稲作にただならぬこだわりを感じているのですが、いかがでしょうか。

なる:はい、稲作全体にはかなりこだわっています。僕自身は米農家の出身ではないので、すべて調べつつ制作を行っています。また、現代の農法ではないので、昔のことを調べながらの開発です。

こいち:ゲーム向けにいろいろとアレンジしているのですが、そもそものベースを知らないと作れません。国会図書館から資料をとりよせて、たたき台になるものを調べて、ゲーム用にデフォルメする作業を行いました。

なる:調べれば調べるほど、日本人は米に対しての執着がすごいんです!

(一同笑)

なる:いろいろな米の論文がすぐに出てくるんですね。例えば稲の生育段階ごとの土の養分の消費のされ方とか。

――普段から食べていますが、実際に詳しくはないんですよね。

なる:身近な存在だけど、実は知らない。その距離感が日本人からしてもおもしろいと思って、とりあげました。

――デフォルメしつつも、ゲームシステムとしてこだわったところは?

なる:肥料を作れるのですが、こちらはかなりゲーム用にデフォルメしています。ゲーム中で手に入るアイテムはだいたい肥料に混ぜることができます。それこそ、石とか木とか……。

こいち:アイテムを入手して使うことは、どんなRPGでもサイクルとして考えられています。『天穂のサクナヒメ』はダンジョンに行くとアイテムがどんどん入るので、それを使うアイデアが必要だったので、肥料に落とし込みました。

なる:ゲーム中には天候の要素が入っているのですが、内部的には気温や風の強さも仕様として入っています。その際に、実際のルールに従って作れないかと思って調べたところ、気団などから入れる必要があって、さすがにやめました。

 今回のゲームを作るにあたって、いろいろなものが繋がって稲作ができあがっていることを感じましたね。

――食事のモデルにもこだわっていると感じました。

こいち:本作のメインはアクションと稲作がメインで、食事は派生物になります。ただ、米を作って終りではなくて、食べておいしいまでがあって完成となると思ったので、可能なリソースの範囲でできるだけのことをしています。

――先ほど話題にあがったゲームサイクルについてお聞きするのですが、プレイヤーはどのようにゲームを進めていくのでしょうか。

なる:朝起きて稲作を行い、ダンジョンに行ってアイテムをとって帰ってきて、少し稲作をして食事をとる。そしてまた朝になります。

こいち:ダンジョンで得たリソースは田んぼに消費することができるし、ご飯のおかずにすることもできます。いいものを食べると翌日、サクナが強くなるので、アクションで頑張ると還元されるのです。

――本作の最終的なゴールは何になるのでしょうか?

こいち:物語上では島で何が起きているのか、調べることが目的となっています。もう少し俯瞰した視点だと、サクナがちゃんと働けるのか、自分の役割を見つけられるのかということになります。

――アクションについてはどのようなことを注意されていますか?

なる:ベースは『花咲か妖精 フリージア』を踏襲しています。ただ、何か1つ要素を足したいと思い、“羽衣”を加えました。羽衣は『ゼルダの伝説』シリーズのフックショットのようなイメージで、伸ばして移動もできるし、敵をひっぱったりもできます。

――格闘ゲームのようなアクション調整をされていると感じましたが、好きでプレイされているのでしょうか?

なる:プレイというか、自分がもともとデベロッパーに勤めていて、そこで格闘ゲームの開発を行っていたため、自然にそのような作りになってしまうのです。

 格闘ゲームはキャラを気持ちよく動かすことにおいては、一番のジャンル。その特徴は実はどのジャンルでも応用が利くんです。うちの強みはその気持ちよさだと思っているので、アクションには当然こだわっています。

――好きなゲームや影響を受けたタイトルはありますか?

なる:本作に影響があるのかはわかりませんが、自分の根っこにあるのはスーパーファミコンの『天地創造』です。直接関係しそうなタイトルは『デビル メイ クライ』でしょうか。

こいち:影響として強いのは『七人の侍』と『もののけ姫』です。話の作り方やキャラの立て方では、大好きな『侍戦隊シンケンジャー』が関係しています。あと、稲作の部分では『バガボンド』でしょうか。

なる:本作を作り始めた頃に、『バガボンド』で稲作をやっていました。「かぶっている。しかもすごい完成度だ」と衝撃を受けましたが、あちらはあくまで漫画の文法としての作品なので、我々はゲームの文法でやれることに挑戦したいと思っています。

――会場の様子はご覧になりましたか?

なる:基本的にこちらのブース内でインタビューをしているのですが、先ほど会場でお客様が遊ばれているところを軽く見させていただきました。海外のインタビューを含め、貴重な経験ですね。そもそも、普段は開発でこもっていることが多いので(苦笑)。

――ユーザーにもっとも見てほしいところはどこですか?

なる:アクションのてざわりには自信があるので、まずは気持ちのいいアクションを楽しんでほしいです。そのうえで日本の文化的な考証にも力をいれているので、そちらにも興味を持ってもらえるとうれしいですね。

こいち:ビジュアルと曲です。今回、ビジュアルの方向性は村山竜大さんに、音楽は大嶋啓之さんにご協力いただき、クオリティラインを大きく引き上げていただきました。世界観がより魅力的に感じられるようになっているので、そちらをぜひ見ていただきたいです。

※画面は開発中のもの。 (C)2019 Edelweiss. Licensed to and published by XSEED Games / Marvelous USA, Inc. and Marvelous, Inc.

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