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『デビル メイ クライ 5』発売記念インタビュー! 最新技術&開発スタッフの執念(⁉)で生まれたネクストレベルのスタイリッシュアクションとは? 


▲『デビル メイ クライ 5』プロデューサー、岡部眞輝氏

RE EIGINEで作りこまれた新生『デビル メイ クライ』

――まずは『デビル メイ クライ 5』の制作が決定した経緯や、開発がスタートした時期からお話しください。

岡部 会社的には3年半ぐらい前からですね。ディレクターの伊津野(英昭)だったり、コアになる開発スタッフは本格的な開発が始まる前から構想を練っていた感じなので、それを含めるともっと長くなります。

開発が決まった経緯となると、伊津野の「こういうものを作りたい」というアイデアが固まったのと、『デビル メイ クライ』のように人気があるのに新作を長いあいだリリースできていなかったシリーズ、IPを会社として積極的に復活させていこう、という戦略がいいタイミングで重なったのが大きいですね。

ふつうゲームを作っていると、どこかでちゃぶ台返しがあって仕様を見直すみたいな話が出ると思うんですけど、今回の我々の場合はやりたいことが決まっていたので、ちゃぶ台返しなしで頭から最後まで迷わず作れました。わりとレアなケースでしたね。

――『デビル メイ クライ 5』には『バイオハザード7』で使われた、カプコンさんが自社開発したRE ENGINEが使われています。両方とも大まかには“アクションゲーム”として一括りにできますが、ゲームの内容は全然違いますよね。そこで苦労した点はありますか?

岡部 『バイオ』と『デビル』だとゲームとしてのペース感が全然違いますもんね(笑)。ただ、ゲームエンジンを作るときって、こういうゲームを作りたいからエンジンのスペックはこうしましょうっていう思想で作らないと、どうしてもよくわからないものになってしまうんですよ。

だからまずは『バイオハザード7』で必要な機能、そのときに必要なものを入れて、『デビル メイ クライ 5』でしか使わないような機能も、RE ENGINE開発のスタッフに伝えてどんどん拡張していってもらいました。

両方ともフォトリアルな表現っていうのは最初から目指していて、それはエンジンも得意にしていたところなので大きな問題はなかったですね。

――グラフィックは体験版の時点でかなり驚かされました。

岡部 そういってもらえるとうれしいですね。今回、高精細高フレームレートっていうところはブラさないように作ってもらおうと思っていました。

アクションゲームのメカニクスだったりデザイン、コアな部分に関しては、カプコンという会社自体が昔から得意としている分野だと自負しているので、絵でびっくりしてもらってユーザーさんにアピールするのがシンプルでわかりやすくていいよねって。

――今回はトリッシュやレディも参戦していてオールスター感がありますが、ここにもうひとり、具体的にいうとバージルが加わるってことはありますかね?(笑)

岡部 このインタビューが掲載されるころ、発売直前に公開されるムービーにはバージルが出てきています!

バージルをどれだけチラ見せするかはだいぶ前から話し合っていたんですけど、ぼくとしてはバージルはぎりぎりまで置いておいて、最後に公開してみんなが「やったー!」って言ってくれた発売を迎える……というのが理想だったので、このタイミングになりました。

 

多種多様なアイデアが詰め込まれて進化したネロ&ダンテのアクション

――主人公キャラたちの性能について話を移したいのですが、まずはネロについてお伺いします。今回はデビルブレイカーという武器がキモになってくると思うのですが、これはどういう順番で増えていくのでしょうか?

岡部 まず最初はオーバーチュア―だけで戦って、すぐにガーベラを手に入れるって順番です。そのあとは基本的にはボスを倒して手に入れた悪魔の力を相棒のニコが魔具としてアレンジして、デビルブレイカーに搭載する……という流れで新しいデビルブレイカーが増えていく形になります。

――デビルブレイカーは発売前に公開されている8種類以外にも存在しますか?

岡部 基本は公式サイトで公開されている8種類と、別売りのダウンロードコンテンツとして提供するロックバスター、性能をアレンジしたガーベラとあといくつかありますが、詳しくは是非公式HPをご覧ください(笑)。今回は長い間続編をお待たせしていたタイトルでもあるし、変に引っ張って隠すよりは、発売前にオープンにしておきたいという考えで情報を展開してきました。

――8種類っていうのは聞くだけだとインパクトはないですけど、実際ゲームを触ってみると十分すぎるというか、多いなという感じがします。

岡部 同じシチュエーションでも義手(デビルブレイカー)が変わると印象がガラッと変わるので、いいバランスになっていると思います。多すぎるとそれぞれの効果を覚えるのが面倒になってくる、と言った面もあるので。

今回デビルブレイカーのデザインは、アニメの監督やメカニックデザイナーとしてご活躍されている河森正治さんにお願いしたのですが、結果的にはデザインだけでなくて、演出面でも多くのアドバイスがいただけました。

最初にベースのアイデアを持って河森さんのスタジオに行ったんですけど、その時点で「この義手はこういう動き、ギミックであるべきだ」みたいなことを考えていらして。パンチラインなんかは、こちらの設定では腕を撃ち出すっていうギミックしかまだ考えてなかったんですけど、「乗りなよ、上に乗ったほうが面白いよ」って言われて(笑)。そこからいまのパンチラインは生まれましたね。河森さんと話していた時点では技術的に実現できるかどうかはわからなかったんですけどね。

――乗せるのは難しそうですもんね。

岡部 そうなんですよ。今回ひとつのこだわりとして、できるだけ変形のギミックで嘘をつきたくないってのがあったので、もちろん嘘がまったくないというのは面白みを減らしてしまうこともあるのですが、ある程度整合性が取れた中で腕の上に乗れたりだとか、鞭のようにしなる剣、みたいな武器を作れたとは思います。最低限の嘘が目立たずにそういうアイデアが実現できたのは、河森さんのおかげですね。

――ステージによって変わるとは思うのですが、アクションゲームが得意ではない人に扱いやすい、スタイリッシュ判定を得やすいデビルブレイカーはありますか?

岡部 ガーベラはやっぱり一番攻撃的には使いやすいですかね。レーザーが跳ね返ると攻撃力が倍増していくので、狭い部屋でザコ敵と戦うときなんかはいいですし。

あと海外のショウに出展した時にプレイヤーさんの動きを見て素晴らしいなと思ったのが、最初にオーバーチュア―で敵に爆弾を埋め込んで、そのあとにガーベラのレーザーを出して敵を爆発させながらレーザーを跳ね返させて周りの敵にも継続的にダメージを与えていく……っていう動きですね。

――セッティング時に行うデビルブレイカーの順番も重要そうですね。

岡部 はい。単発で使うだけじゃなくて、義手の効果を組み合わせたアクションも種類によってはできるので、そこまで考えて遊んでもらえるのは素晴らしいなと。自分の中でストラテジーを立ててプレイを進めていくと、このゲームはより楽しめるんだなっていうのを実感しましたね。

――一度に持っていけるデビルブレイカーは体験版だと4つでしたが、これは固定ですか?

岡部 ゲームを進めると増やしていけますよ。レッドオーブで買えるスキルの中にデビルブレイカーのスロットを増やせる効果があるので、スキルを買ったり、体力を増やしたりするのと同じ仕組みで増やせます。

――レッドオーブで買えるのはどちらかというと基本能力の底上げだったり、剣や銃のアクションになるんですかね?

岡部 初期にはデビルブレイカーでできることもレッドオーブを使って増やせるというアイデアもありましたが、いまはそういう方向になっています。

――ダンテやVのスキルも同じような感じで用意されているのでしょうか?

岡部 そうですね。それぞれレッドオーブを費やして習得することになります。基本的にはミッションによって選べるキャラクターが決まっていますので、ネロだけでなく、ダンテやVもパワーアップさせていかないと厳しくはなっていきます。体力ゲージの長さなんかは3キャラクターで共有されていくんですが、攻撃のスキルなんかは当然キャラクターごとに違うので、レッドオーブを誰にどう使うか?はしっかり考えたほうがいいですね。

――ダンテのアクションについても聞きたいのですが、今回はかなり新しい試みが施されていますよね。バルログでの近接攻撃だったり、バイクを使ったキャバリエーレとか。

岡部 ちょっとキャバリエーレ推しをしすぎてるかなと反省しているところもあるのですが。海外にプレゼンにしにいくと、バイクが出た瞬間に盛り上がるんですよ(笑)。

――キャバリエーレやバルログの攻撃はネロでいうデビルブレイカーのボタンに割り振られる感じですか?

岡部 いえ、剣攻撃のボタンに割り振られています。モードを切り替えながらキャバリエーレやバルログを使うのか、剣を振り回すかを選んでいく形ですね。また、デビルブレイカーみたいに壊れることもないです。

――今回のダンテはこれまで以上に近接戦闘が充実してそうですが、それはネロとの差別化などを目指して意図的に調整したのでしょうか?

岡部 そこはどうですかね……でもバルログなんかはそうかもしれないですね。バルログはボクシングスタイル(ブロウモード)とカポエラスタイル(キックモード)を切り替えながら戦える、カプコンが作ったゲームっぽいなあっていう攻撃手段なんですけど(笑)。連続で攻撃が当たっていくとどんどん与えるダメージも上がっていく表現になっていますし、楽しいですね。

あとバルログを使用中はボクシングのスウェーのような動きができて、敵の攻撃にあわせてタイミングよくスウェーをすると、ちょっとスローモーションがかかったりして演出的にもすごい気持ちいいですよ。

“俯瞰視”がカギとなる⁉ 新キャラクターVのアクション

―Vは完全新規キャラクターなので、アクションだけでなくデザインの段階からどういうコンセプトで作られたかも教えてもらえますか?

岡部 伊津野やコアスタッフの中では、ストーリーに関しては初めの段階からほぼVありきで作っていくっていうイメージだったみたいですね。新キャラクターを作りたいという意向があって、ならばダンテとネロとどういう違いのあるキャラクターにすべきかを考えていった形です。

ダンテとネロっていうのは違うキャラではあるけど同じ線上にいるような進化の形のひとつって感じだったので、まったく違う発想でつくるとどうなるのか。ネロの場合は引き寄せるっていうアクションでダンテと差別化がされていると思うのですが、Vはダンテやネロとはまったく違う脳みそを使って遊ぶためのキャラクターにしたかった。そこから魔獣を使役して戦うというスタイルが生まれました。

岡部 あとは使役する魔獣が過去作でダンテたちと関わりのある、グリフォンだったりナイトメアだったりシャドウであることで、シリーズの第1作に登場したボスがなぜか仲間になっている、なぜだろう?みたいなお話のフリも入れつつVを作りこんでいくという発想もありました。

――公式サイトを見た感じだと通常攻撃は魔獣が担当するけど、とどめを刺せるのはVだけ、というシステムになっているように見受けられたのですが。

岡部 そうです。この仕組みは結論そのものは最初から最後まで変わらなかった、言わば狙い通りに完成させられたのですが、途中には試行錯誤がありましたね。

いままでのキャラクターと何が一番違うかというと、ディレクターの言葉を借りると「右目と左目を使い分けてほしい」と。右目でVを見て、左目で魔獣を見る。そこに加えてフィールド全体を見ながら何をすべきかを考えるっていうところが、全然違う脳みそを使ったアクションゲームになっている。

俯瞰視して戦うっていうところに気づいて頭を切り替えられると、Vの戦いが見えてくる感じになっています。

――そうなると購入できるスキルは魔獣の攻撃がメインになりますかね?

岡部 スキルは魔獣の攻撃と、Vがとどめを刺すときのスタイルを増やせますね。スキルの中にはアナログスティックをグルンと回すと全方位にとどめを刺せる攻撃があったりするので、それを覚えると魔獣で複数の敵を弱らせておいて、その360度のトドメ攻撃を出すと一度に複数の敵を倒す……なんてこともできます。それはかなり気持ちいいし、スタイリッシュ評価も上がりやすいですね。

――今回はプレイアブルキャラクター、それぞれに歌詞つきの戦闘曲が用意されているのも特徴だと思います。

岡部 以前からゲームプレイのモチベーションを上げるために音楽はもっと活用できるはずと思っていて、今回は戦闘の状況に応じてボーカル曲が流れて、さらに変化するっていうのをやってみました。

曲に関してはウチのサウンドチームと伊津野がデモを一旦作り方向性を示したうえで、現地のコンポーザーの方々の個性を活かした感じで仕上げてもらいました。

普通の曲はイントロから始まってBメロ、サビかなにかがあって~みたいなサイクルがあると思うんですけど、今回の戦闘曲に関してはプレイに合わせてイントロが長くなったりだとか、サビが出てこなくなったりだとか、逆にサビが繰り返されて気持ちよくなっていく……みたいにゲーム中に鳴るループをいくつか作ったうえで、サントラ用に5分ぐらいにした曲も別でミックスして作っています。

かなり手間が掛かってしまったのですが、スタイリッシュランクの変化に応じて、サウンドもサビへと変化してゆくとカッコ良さの相乗効果でテンションがMAXになります。ぜひ体験して欲しい仕上がりにできたと思います。

プレイモチベーションをアップ、維持するために工夫されたゲームシステム

――ゲームモードやシステム面の話に移りたいのですが、まずは戦闘中に表示される判定、あの評価を上げるにはどういった“スタイリッシュ”なプレイが必要なのかを教えてください。

岡部 単純にいうと、ひとつはいろいろな技を使ってもらうとスタイリッシュの評価はアップしますね。同じことばっかりやるんじゃなくて、複数の技や動きを組み合わせてもらうと上がっていきます。

あとはステージの最後の評価でSランクを取るには、ダメージを受けないことも重要です。ただダメージを受けてもSランクは取れるので、基本的にやってもらいたいのは“いろいろな技を出す、かっこいいプレイですね。

――SSS評価はけっこう値打ちがあるというか、適当なプレイでは取れない感じですよね。そこは甘やかしてはくれないというか(笑)。

岡部 必ずしも全部のスキルを持っていなければいけないということはないんですけど、やっぱりある程度スキルを解放していくことで、人それぞれやりやすい形が見つかっていくかなと思います。

岡部 記事が出るころには体験版のコンボ動画とかが出ていると思うんですけど、やっぱりうまい人のプレイは素晴らしくかっこいいし、こちらとしてもそうあってほしいと思って作っています。

開発者の中にも元eスポーツの選手みたいな人がいるんですけど、上級者のプレイを見てると空中から降りてこないんですよね。なぜそんなことができるのか(笑)。発売後はそういう動画がいっぱいあがると思うので、それも楽しみにしています。

――オンラインに接続すると自動で成立するという、シェアードシングルプレイについて説明をお願いします。

岡部 シェアードシングルプレイは、一般的なオンラインゲームの要素を入れたかったというわけではなく、シングルプレイをいかに楽しく、よりスタイリッシュに遊んでもらえるかっていうのを追求して探求していった結果、できたものです。

おもな要素はふたつあって、ひとつは偶然出会うというか、見るだけですね。相手に直接かかわらずにお互いが戦闘している姿が見えるだけ。もうひとつは共闘までできる、ここはふつうのオンラインプレイができるアクションゲームっぽいんですけど、両方ともマッチングは知らないうちに発生して、知らないうちに表示される。だからロビーで誰かを待ってからミッションに行かないといけないことはないし、途中でやめたくなったら気にすることなくやめられるようになっています。

岡部 伊津野がシェアードシングルプレイで目指した”楽しみ“は他者のプレイを見る、自分のプレイが見られるっていうことをプレイのモチベーションにつなげるということです。すごいプレイを見ると、完璧にはできないにしても真似したくなるじゃないですか。自分もあんなコンボを決めたい!みたいな。

そういう体験があったときは相手に評価を送ることで、その場復活に使えるゴールドオーブを与える/もらうことができる仕様にもしているので、シェアードシングルプレイも活用してほしいですね。

――発売後のダウンロードコンテンツとしてブラッディパレスが用意されていますが、この内容は?

岡部 ブラッディパレスはこのモード専用のステージがあり、ダンテ、ネロ、Vのうちから好きなキャラクターを使って戦えるというモードです。

今回ふつうのステージで自由にキャラクターセレクトができないのって、同じ敵でもどの主人公と対峙しているかで思考や動きが変わるように作っているからなんですよ。そこまでせずに緩く遊ばせるならやれないことはなかったんですけど、伊津野はそういうところでは一切妥協しない(笑)。

そのぶん、ひとつひとつの動きは作りこまれていて、敵も味方もシチュエーションや技のつなぎ方によって動きやモーションが変わる、クオリティの高いものになっています。

――動きの作り込みとは、具体的にはどういうことでしょうか?

岡部 フォトリアルな表現で『デビル メイ クライ 5』のようなゲームを作っていると、一時期CGの見た目で話題になった”不気味の谷”みたいなものがゲームのアニメーションでも発生してしまいます。たとえば剣を振って攻撃したときに、昔のゲームのように振った剣が一瞬でピュッと戻ると違和感を感じてしまったり。銃もちゃんと弾を詰め込んで、カチャと構えて撃つっていう動作がないとやっぱり気持ち悪くなってしまう。

これを解決するために行ったのが、まずはフレームを消さずにモーションを全部作って、そこから阻害しないだけのフレームを割り出す、っていう作業です。作ったものを抜いていく、最低限の補完フレームを見つけていく。これでフォトリアルが持つ見た目の特性を活かしながら、アクションゲームとしての気持ちよさ、操作感を崩さないという、不合理をどうにか力技で整えた感じです。

岡部 技のモーションをキャンセルして見せてもよかったのですが、今の時代にそれをやるのは違うだろうというのと、次のレベルを目指したいっていう、アニメーターやディレクターの希望もあったので、今回は新しいことにチャレンジさせてもらいました。

――本日はありがとうございました。最後に読者に向けてのメッセージで締めてください

岡部 開発スタッフ一同、3年半かけて魂を込めて作ったタイトルになっています。特にファンの方には100%満足できるものになっていると思います。これまでのシリーズを遊んだことがない方にもたっぷり楽しんでもらえる、内容の濃い、面白いゲームになっていますので、よろしくお願いします。


『デビル メイ クライ 5』公式サイト

©CAPCOM CO., LTD. 2019 ALL RIGHTS RESERVED.

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