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【ゲームレビュー】思い出はすべて対戦の中に。あの頃を思い出す『ストリートファイター30th アニバーサリーコレクションインターナショナル』

本作は当初、もう少し早いタイミングで遊べる予定だったが、「海外版のみの収録」という仕様を残念に感じるプレイヤーの声もあったようで、当初の予定から一度発売日を延期し、日本語版タイトルを収録した状態で発売されることとなった。


▲『ストリートファイター30th アニバーサリーコレクションインターナショナル』では、懐かしい『ストリートファイター』シリーズ作品が多数遊べる
 

正直な話、僕にとってこの作品は、日本語版か海外版かなんていうのはどうでも良いことだった。日本語版であれば嬉しいと思うものの、それによって発売日が遅れるのならば、いっそ海外版のままで良いとさえ思っていた。

毎日のようにゲームセンターに通い、夢中でコインを入れ、バチバチと対戦し、時には練習もして、大会に出る。そんな懐かしい『ストリートファイター』シリーズにまつわる思い出のほとんどは、格闘ゲームであること、つまり、戦うことに集約されていたからだ。

豪鬼の名前がAkumaであろうと、四天王の名前が入れ替わっていようと、向かい合って対峙する2人の見慣れたキャラクターたちがいて、彼らを操作して戦うことができたなら、それでよいと思っていた。

しゃがみ中Kキャンセル波動拳、立ちスクリューパイルドライバー、前歩きスーパーコンボ、豪鬼の隠しコマンド、ゼロカウンター待ち、何度も練習したオリジナルコンボ、ブロッキング、移動投げ。

懐かしい数々の戦術やテクニックをおさらいしたり、それをオンライン対戦で当時の、今の仲間たちとぶつけあう。そんな遊び方を一刻も早くしてみたかった。


▲収録作品は、アーケード版と限りなく近い形になっている。バグや仕様の隙間などを活かした攻略テクニックも存在した時代だが、それらが修正されず残っているのは嬉しい限り
 

結果として、日本で少し遅れて発売された本作には、24作品の『ストリートファイター』シリーズが収録されている。全12タイトルの、日本語版と海外版を収録するという形がとられた。対戦できればそれでいいと思っていたが、これは素直にスゴイ。しかも『ストリートファイター』を除くすべての作品は、オフラインでの対戦に対応している。


▲国内版12タイトル、海外版12タイトル合計24タイトルの『ストリートファイター』作品が収録されている
 

オンライン対戦が可能なのは、『STREET FIGHTER II'(日本語版:ストリートファイターII ダッシュターボ)』、『SUPER STREET FIGHTER II TURBO(日本語版:スーパーストリートファイターIIX)』、『STREET FIGHTER ALPHA 3(日本語版:ストリートファイターZERO3)』、『STREET FIGHTER III 3rd strike(日本語版:同名)』と海外版のものだけとなっている。

これらオンライン対応作品にはトレーニングモードもついているので、懐かしい戦術やテクニックを思う存分練習することができる。

ぜいたくを言わせてもらえれば、オフラインでしか遊べないタイトルにも簡素なトレーニングモードがほしかったところ。もし全タイトルにトレーニングモードがあれば、自分は3倍の値段でも買っていたと思う。


▲個人的にもっともオンライン対戦とトレーニングモードが欲しかった『ストリートファイターIII 2nd IMPACT -GIANT ATTACK-』。いぶき、ショーン、豪鬼、ユン等で対戦してみたかった!
 

格闘ゲーム仲間たちと懐かしいタイトルを対戦してみたら、お互いに最初は手探り感いっぱい。しかし時間が経つと、当時の戦術や対策が浮かんできて、「あったなあ、それ」とか「うまい」とか言い合っている。

住んでいる場所は離れてしまっても、オンラインモードとパーティチャット機能があれば、まるであの日のように……いや、それ以上に賑やかな対戦できる。

オンラインモードの対戦の仕様は簡素で、連戦などにはひと手間あるが、あるだけ嬉しい。これがもし現行の格闘ゲームだったら、「連戦にひと手間ある仕様はけしからん!」なんて言ってしまいそうだが、懐かしさの前に、人はちょっと寛容になることができるのだ。

しかも、思いのほか……と言ったら失礼だが、通信ラグをあまり感じない。ヒット確認だってできるし、目押しコンボも成功する。僕もその仲間もなかなか「ラグ」にうるさい人種だけど、本作を対戦中に、「すごいなこれ、ラグ感じないわ」とか言っていた。あまりに昔のゲームすぎて、それを感じなくなるほど腕や感覚が落ちているということも考えられるけれど、ラグがないんじゃ?と思わせてくれるほどに本作のオンライン対戦はスムーズだ。


▲オンライン対戦で、懐かしい友人とも対戦。お互いに下手になっていましたが、ところどころ昔のテクニックや対策が活きる試合を楽しめた。後半は、赤ブロ(連続ガード中に割り込むブロッキング)なども取られはじめて、かなりタフな対戦となった
 

また、本作には、当時の設定資料や仕様書なども収録されており、手書きの企画書なども惜しみなく披露されている。その分量は膨大なので、これらに触れるだけで『ストリートファイター』シリーズの歴史を振り返り、語れるようになるだろう。

初代『ストリートファイター』は一人用のゲームであった。そこから次第に、現在のシリーズの醍醐味である「対戦」に軸を置いたものづくりに移行していく様もよくわかる。

この設定資料を見ていると、対戦にこだわりながらも『ストリートファイタ-』という世界を守り、広げようとしたクリエイター陣の情熱が、ひしひしと伝わってくるのだ。

格闘ゲームは対戦できればそれでいいなんてよく言ってしまうけれど、このシリーズが僕にとって特別なのは、やはりそれが『ストリートファイター』だからなのだ、ということを思い知る。


▲作品の企画書も一部収録されている
 


▲初代『ストリートファイター』も遊べる形でばっちり収録されている。シビアすぎる必殺技コマンドを極めるのだ
 

『ストリートファイター』が好きな人、対戦が好きな人。そしてそれが過去形になった人にも、ぜひ本作を手に取ってもらいたい。誰かと対戦しても、トレーニングモードをしても、一人用を遊んでも、自分の中から、何かが出てくるはずだ。


文●浅葉たいが

ストリートファイター30th アニバーサリーコレクションインターナショナル
ジャンル:対戦格闘ゲーム
対応機種:PlayStation 4、Nintendo Switch、Xbox One.Steam
発売日:発売中(2018年10月25日)
価格:
 パッケージ版:PS4、Nintendo Switch 4990円[税別]
 ダウンロード版:PS4、Nintendo Switch、Xbox One、Steam 4500円[税別]

『ストリートファイター30th アニバーサリーコレクションインターナショナル』公式サイト

©CAPCOM U.S.A., INC. 2018 ALL RIGHTS RESERVED.
 

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