ゲーム★マニアックス

放送時間

毎週土曜 夜
11:30~12:00

一部を除き隔週更新

【特別座談会】それでも僕らがゲームライターを辞めない、たったひとつの理由


■座談会参加者

松井ムネタツ:テクノポリス、ゲーメスト、ファミ通Xbox 360などの編集および編集長を経て、現在はフリーの編集/ライター。コンシューマー、アーケード、PCゲーム、スマホゲーム、アナログゲームと広く浅く一通りこなす。好きなジャンルは海外ゲーム、シューティングゲーム。

浅葉たいが:さまざまなメディアで独特のレビュー記事や企画記事を手掛けるゲームライター。一時期、専業ゲームライターとして活動していたが、現在はインテリアデザイン会社に所属しつつ、「ゴジライン」というゲームメディアを運営している。好きなゲームジャンルは、RPG、格闘ゲーム、アドベンチャーゲーム。

ケンちゃん:格闘ゲームを扱う雑誌「ネオジオフリーク」でゲームライターデビュー。現在は、スマートフォンゲームの記事や動画を中心に手掛けている。浅葉たいがとともに「ゴジライン」を運営。好きなゲームジャンルは、スマートフォンゲーム全般、格闘ゲーム。

龍田優貴:23歳の兵庫在住ゲームライター。エンタメ系テックメディア、eスポーツ情報メディアで記事を執筆。現在は80年代~90年代のゲームシーンについて勉強中。好きなゲームジャンルはFPS、RPG、アクションゲーム。

ぶっちゃけゲームライターのギャラってどうなの?

――今回は、ゲーム★マニアックスの特別企画として、「ゲームライターっていろいろどうなの?」をテーマに座談会を行ってみることにしました。「最初はインパクトのある話題からやったほうがよい」とのことでしたので、まずゲームライターの原稿料相場から話してみるのはどうでしょうか。相場は、ここ数年かなり下降しているという話が多いと聞きますがどうでしょう?

ケンちゃん:いきなりパワフルな話題ですね(笑)。原稿料が落ちてきているというのは間違いないと思います。攻略本や雑誌の部数は減って、ゲームのwebメディアはなかなかマネタイズが難しいという状況にあります。

ただ、仕事の数や種類は増えているというのも同時に感じていて、「稼ぐ」ための作戦をたてれば、そんなにブラックなところでもないと思いますね。

ゲームライターをやるのってたぶん、「ゲームが好きだから」「楽しいから」、またはマフィア梶田さんなど、誰かに憧れてという動機の人が多くて、「めちゃくちゃ稼げるからゲームライターをやろう」って人はいないと思うんですよ。そこで、楽しさとある程度の稼ぎを両立する方法は、じつはいろいろあるんじゃないかなと最近思います。

浅葉:編集部を介してライターに仕事としてくる記事単価ってwebだと、5000円、8000円、10000円くらいのものが多いんですかね最近。誌面もページ単価は同じくらいかな。

松井:今の編集部経由の相場はそんなもんかなあ。インタビューとかだともうちょっと高いとか、記事の難度によってけっこう幅はあるね。中には1記事で数万円という場合もあるけど、そういうのはたくさんあるわけでもないし。昔は攻略本だと扉ページ(「第○章 データ編」などと書かれたコーナーを表すページ)だけで原稿料2万円とかいうのもあったよ。

ここ数年でライターになった若手の龍田くんの感覚はどんな感じ?

龍田:僕はwebメディアで書くことが多いんですが、だいたいその感覚であっていると思います。もちろん、もっと高いもの、安いものもありますけど。

ゲーム以外の案件言えば、原稿料の相場はありがたいことにゲーム関連のほうが2割増しぐらいで高いですね。

松井:そーなんだ! 僕が受ける仕事だと、ゲーム以外のほうが高いことが多いかも。

浅葉:一番安い単価でどれくらいのを受けたことがありますか?

龍田1500円ですね(笑)。記事を書いて、写真をとって、(webへの)入稿までやりました。駆け出しのころだったので、相場がわからなくて。ちょっと安いかな、でも、楽しいからいいか、なんて思いながらやっていました。今考えると恐ろしいです(笑)。

浅葉:5000、8000、10000円の仕事だと月50本くらい書かないと厳しいみたいな話になってくるので、それは確かに稼げないどころか食っていくのも難しい仕事になりますね。

でも、こういう案件ばかりじゃないし、仕事の仕方次第で変えられる部分もあるんじゃないかなと思います。たとえば、1本5000円の原稿ってきくと、安いと思う人がいるかもしれませんけど、それが30分とか1時間で書きあがるやつならまあまあ良くないですか? 原稿料が2万円の仕事を2日かけてやるくらいなら、30分で書ける原稿料5000円のものを一日に数本やるほうが稼げます。

こういう仕事の仕方が楽しいかは人それぞれでしょうけど、「ゲームライターは稼げないからつまらない仕事だ」みたいな見方はちょっと極端かなと最近思いますね。

松井:浅葉くんはレビューも結構書いてるよね。RPGとかギャルゲーとかよく見かけるよ。あれは記事単価を高くしてるの? ゲームレビューって、プレイ時間までギャラ換算すると、割に合わない仕事という考え方もできるけど。

浅葉レビューは自分の好きなゲームしかやらないと決めているので、単価はあまり考えないですね。書いてみたい思うやつをこちらから提案したり、依頼として来たもので面白そうなものをやるという形です。

僕の場合は、仕事としてきっちり取り組んでそれなりに単価をもらうものと、そうでない趣味寄りのものをバランスよく受けて、収支を合わせるという考え方をしていますね。


▲年間100本以上のゲームを買うという浅葉氏のゲーム棚の一部。限定版など箱の大きいものが増えてきて、比較的新しいゲームと気に入っているゲームだけを自宅に置くようにしているとか
 

ケンちゃん:ゲームライターって、フリーランスみたいなものじゃないですか。お金だけ考えるなら定職についたほうが無難。リスクを背負ってそれでもやるんだったら、自分が面白いものをやったほうがいいなというのは、30歳半ばくらいになって気づきましたね(笑)。

僕がゲームライターの業界に入った2000年前後は、まだ景気がいいほうで、攻略本なんかもたくさん出ていました。それで、まとまったページ数を引き受けて稼ぐ、という方法があったんですが、それはある程度まとまった額が入ってくるからやってた部分もあるんですよね。ほとんど嫌いなゲームがないという自分もある意味才能ですが、しんどい仕事でも、ギャラがよければ楽しくなるみたいなところはあるじゃないですか。

でも、全体的に単価が下がってきた今、ライターとしての働き方を考えないといけないなと思い始めてから、自分が楽しいと思うことや新しいことを積極的にやるようになりました。

松井:ケンちゃんと浅葉くんは、面白いからゲームライターをやっていると。

浅葉:僕は完全にそうですね。ただ、一時期、月額の売り上げを50万とか100万ってノルマを決めて原稿を書いてた時期もありましたよ。そのときはほぼ専業みたいなもんでしたけど。

ケンちゃん:原稿料で月50万って結構書いてるね。

浅葉:自分の好きなゲームする合間も欲しかったから、それでもゆったりでしたけどね。月100万にノルマを設定したときは、これはかなりしんどかった。誌面とweb、単価は平均して1万円くらいのものをひたすら書いてましたね。

そのときは面白いとかじゃなく、時間効率のいい仕事を詰め込んでました。そのときから、ゲームをプレイしている時間と、原稿を書いている時間を計り続けてますね。自分の書くペースがわかると、仕事の効率も変わってきます。

松井自分の書くスピードを知っておくのは大事ですね。フリーの仕事って、ついつい「締切まで余裕がある」と思ってしまうと、休んじゃうよね。僕もキッチンタイマーを置いて作業してる。40分やって10分休む、みたいな。学校の時間割じゃないけど(笑)。

龍田僕は記事を書くときに25分ごとで工程を区切ったりします。例えば情報収集に25分で5分休憩、次の25分で構成を組み立てて……みたいな感じで。うまくいくとスムーズに書き終えられます。……うまくいけばですけどね(笑)。


▲執筆を時間で関すると集中力が高まり、効率があがる……ような気がする

僕らはこうしてゲームライターになった

――話は前後しますが、皆さんはどのような経緯でゲームライターになったのでしょうか。現在の働き方なども教えてください。

松井:1986年、18歳のときに愛読していた『テクノポリス』という雑誌でアルバイト募集があったので、それに応募したのがきっかけかな。マジメに働いてたら立場が少しずつあがって、5年後の23歳で編集長(代行)になった。『ゲーメスト』でも副編集長っぽいことやって、『ファミ通Xbox』でも編集長をやって。

いろいろあって公私共々大きく環境を変えたくなって、2015年からフリーランスに転向。今は受けられる仕事はなるべく受けようというスタンスでやってる。どのハードが来てもいいように、ゲームハードは揃えたりね。


▲松井氏がゲームメディアの道に入ることになったきっかけの雑誌『テクノポリス』
 

浅葉:ライターや編集の勉強というのは、どこかでされていたんですか?

松井:『テクノポリス』にはいったのが高校を出てすぐだったので、スキル的なものはアルバイトをしながら覚えたり、教えてもらったり。編集デスクに教えてもらった感じかなあ。バイトで入るときに「絵心あります!」とアピールしたので、イラストも描ける便利なバイトと思ってもらえたのは大きかったかも。

ケンちゃん:僕はファミコンからゲームに入って、そのうちゲームセンターに行くようになって、格闘ゲームにたどり着きましたね。小学校6年生くらいのころに『ストリートファイターⅡ』にハマって、福岡のゲームセンターに入り浸っていました。

東京に引っ越した高校のときに通っていたゲームセンターで『ネオジオフリーク』のDSP-たろりんさんいとうライターがいて、恥ずかしげもなく「手伝わせてください!」と粘着してたんですよ(笑)。それが経緯になって、高校三年生の秋くらいに『ネオジオフリーク』編集部に行きました。攻略ノートみたいなのを当時はとってて、調べものをしたり、教えてもらった情報をまとめたりというのが好きだったので、それを活かす形で仕事には取り組んでいました。

そして、2000年に『ネオジオフリーク』がなくなってからは、大学もある程度真面目に行ってまっとうな人生を生きるかと考えたりもしたんですが、『ギルティギア』というゲームに出会ってしまったんです。この作品の大きな大会で優勝して、やっぱりゲームが好きだなと再確認してからは、この道を自分なりに歩いています。プロゲーマーのときどさんとかと当時はチームを組んでいたんですよ!

松井ケンちゃんは、今だとスマートフォンゲームのライターというイメージが強いけど、そっちにシフトするキッカケは何だったの?

ケンちゃん:『ネオジオフリーク』がなくなったあとは、アーケードゲーム雑誌の『アルカディア』に入って、エンターブレイン(現Gzブレイン)系列のゲームの記事をやっていたんです。

それに並行して、家庭用ゲームの攻略本なんかもこなしていたんですが、自分の好きな格闘ゲームというジャンルのメディアが弱まっていくのはなんとなく感じていました。ネットの攻略速度に、記事が追いつかないんですよ。記事を書いてから、本になるまで半月くらいはかかります。その間に、どんどん攻略が進んでいくので、ライターが攻略を終えていても、その本になるまでの時間に追い抜かれてしまう。そうすると、攻略情報誌としての力は弱まりますから、当然需要も下がっていく。

もちろん原因はほかにもいろいろあるんでしょうけど、このジャンルだけでいくのは苦しいかもしれないと感じ始めたときに出会ったのが、携帯電話で遊ぶゲームだったんです。『怪盗ロワイヤル』とかがとにかく楽しくて、「このジャンルは必ず来る、そして自分に向いている」と感じて、積極的に仕事をとりにいくようになりました。
 


▲ケンちゃん氏や浅葉氏が情熱を燃やしていたゲーム雑誌『アルカディア』が中心となって行っていた大規模格闘ゲームイベント「闘劇」のパンフレット。アーケードゲーム攻略雑誌の勢いが落ちていることは感じていたが、イベントには可能性を感じていたという
 

浅葉:ケンちゃんが『白猫プロジェクト』にハマっていたのも、僕は近くで見ていました。当時はまだ仕事でもないのに「面白い」ってずっといってたんですよ。それがいつの間にか仕事になっているというのは幸せなことですよね。

松井:浅葉くんは、どういう経緯でライターに?

浅葉:僕は、ゲームの感想をブログを書いていたんですが、このブログを見たメディアの人が誘ってくれたのがきっかけです。学生時代は暇すぎて、365日ブログを更新してたんですよ。内容は、今思うと結構辛口ですね。「またクソゲーをつかまされた」みたいなことを書いていました(笑)。

最初はバイト的な感覚で、たまに記事を書いたり、ファンブックの作成を手伝ったりしていました。それでいろいろな人と出会ううちに、ゲーム雑誌から仕事の依頼が来たり、ケンちゃんにアルカディアに誘ってもらったりしたんです。僕の実力がどうこうというより、周りに優しい人が多かった(笑)。

松井:ゲームライターになるために、特別な勉強をしたというわけではないんだ?

浅葉:そうですね。編集プロダクションの仕事を手伝っているうちに、いろいろ覚えました。女性誌の仕事とかもやっていたんですが、今はゲームがほとんどですね。

ケンちゃん:浅葉さんは、専業ゲームライターではないんですよね。一応。

浅葉:そうですね。一時期、専業っていってもいいくらい記事を書いていた時期があるんですが、今はいろいろある仕事のひとつというイメージです。

僕はインテリア関係の仕事をしているんですが、ゲームの仕事は楽しいので、ずっとやめられずにいます。どちらも、自分のやりたいことを形にするために、プレゼンや営業をしたりするので、自分の中で楽しさは似ていますけど。

松井浅葉くんとケンちゃんは、ゴジラインという独自のゲーミングチームを立ち上げているけど、これはどういうきっかけと目的があったの?


▲浅葉&ケンちゃんらが運営している「ゴジライン」のサイト
 

浅葉:きっかけは、みうらじゅんさんの『「ない仕事」の作り方』という本に影響されたことですね(笑)。これからゲームライターとしてどうやって仕事をとっていこうかなと考えたときに、この本を読んで、自分で何かアクションを起こそうと思ったんです。

ゴジラインのサイトにアップしてる記事は全部ノーギャラで、とりあえずやってみようとはじめてから2年、最近はメーカーから仕事として依頼をもらうことも増えました。本当にありがたいですね。

僕は好きなゲームの記事ばかり書いていたいというわがままなタイプなんですが、だいたいゴジラインに依頼なんかをくれるところは、僕が好きなゲームであることが多いんですよ(笑)

ケンちゃん:PR費用の出ていないゲームの記事って、ライターが書かせてくれといっても、なかなかメディア側としてはOKを出しにくかったりしますけど、ゴジラインならとりあえず「書ける」というのは楽しいですね。仕事という感覚ではなく、遊びの感覚でやっています。

そういう活動に共感を覚えてくれた人が、たまに仕事をくれたりするんです(笑)。営業のツールにするつもりはないんですけど、なんだかんだやっててよかったなと思うことが多くなりましたね。

松井:ゴジラインは、どういうメーカー案件をやってるの?

浅葉:ゲームの攻略、PR記事やイベントの実施、バランスの調整、生放送番組や動画の制作、いろいろやってますね(笑)。もちろんメディアからの依頼で記事を書いたりすることもあります。載る先は僕らとしては、どこでもいいので。

松井:龍田くんは、どういう経緯でゲームライターの仕事を受け始めたの?

龍田:もともと文字を書くのが好きで、ライターとしては女性向けのメディアの記事なんかを担当していたんです。でも、ゲームが好きなので、このジャンルの記事を書いてみたいということで、いろいろなメディアに営業をかけて、仕事をコツコツとっていくようになりました。

ケンちゃん:営業! スゴい。僕、まともに営業とかしはじめたの、30超えてからですよ。

龍田僕は都内に住んでいないので、営業しないと仕事はこない環境というのが大きいかもしれませんね。記事の仕事は、探さないとこっちにやってこないというところからスタートしました。

ケンちゃん:専業ライターとしてやっているんですか?

龍田:なんとか専業としてやっています。ジャンルはゲームだけではないんですけど、月に25本から30本くらいwebの記事を作っています。1日1本くらいのイメージですね。最近はゲームのほうが割合増えてきました。

ケンちゃん:それもうYouTuberみたいな世界じゃないですか。毎日記事を書くのって、めちゃくちゃ大変ですよ。

龍田:そうですね(笑)。でも、書きたいジャンルなので、モチベーションは高いですよ。

浅葉:スゴすぎる。都内以外でそれだけやれていれば、上京すればもっと勢いつきますよ。地方でゲームライターやるのってとにかく大変です。僕は今徳島でやってますけど、都内にいた時期が長かったからやれてるだけなんですよね。

松井:龍田くんは上京してくる予定はないの?

龍田:もちろん上京したいです! 都内のほうが仕事の数も多いと思いますし、2019年の春ごろには引っ越しを済ませようと考えています。

松井:発売前のゲームを触ってレビューしたり紹介したりする仕事は、都内以外では難しいよね。編集部とかメーカーにいかないと遊べなかったりするし。雑誌が主流だったころの癖なのか、直接会って打ち合わせすることも少なくない仕事だから、都内に住んでいることが有利というのは今も変わらないかも。

ライターとしてのこだわりはXbox?

――記事を書くうえで、なにかこだわっている部分はありますか?

ケンちゃん:つまらないゲームでも、いいところを探すのがゲームライターだ、みたいな話をよく聞かされてきたんですが、今はそれはそうかもしれないけど、自分はそれをやりたくないなと思ってますね(笑)。やれと言われればできますが……。

浅葉:本当にどうしようもないクソゲーをポジティブに紹介する記事がきたら、お断りすると(笑)。

ケンちゃん:それをベタ褒めする仕事なら、他に適任がいる気がして(笑)。浅葉さんはどうしてるの?

浅葉:それが紹介記事だったとしたら、自分がこれは人に薦めたくないなというものは断りますね。クソゲーをつかまされるのって、悲しいじゃないですか。

僕は昔、徳島県のとあるおもちゃ屋で店員さんが「これ面白いよ」ってのを信じてゲームを買ってた少年時代があるんですが、今思うとそのときオススメされたソフトって、いわゆる売れ残りのクソゲーが多かったんです。そんなわけで、ライターをやる前は僕、クソゲーに並々ならぬ怒りを感じてたんですよ。ブログに「これはクソゲーです」って書くこともあったくらい。

でも、ゲームライターになってそれはやめましたね。クソゲーをクソゲーというのは自分が気持ちいいんですけど、それを聞いていやな気持になる人もいるじゃないですか。大多数の評価でクソゲーだとしても、それを愛してる人や、頑張って作った人がいるわけですから。

でも、自分が行灯記事と思うものはやりたくない。だから最近は、クソゲーは断る、ブログやSNSでも具体的なタイトルを出して言及しないというスタンスでいくことにしました。たまに血管キレそうになるクソゲーに出会ったりしますけどね。

レビューなんて、レビュアーの好みとかが出てるわけですから、それを参考にして購入する場合は、読み方も大事だなと思います。たとえば格闘ゲームのレビューを、格闘ゲーマーがやるのと、マルチゲーマーがやるのでは全然違いますし。僕、対戦面白ければそれでいい、みたいな書き方すること多いですよ(笑)

ケンちゃん年間100本くらいゲーム買ってるんだっけ。そりゃクソゲーにも会いますわな。

浅葉:その中で、自分が面白いと思ったものを書いてますよ。クソゲーは心の中で怒りながらスルーしてます。こだわっていることは、なるべく多くのゲームを遊ぶことですかね。僕の「好み」で判断する部分ではなくて、他の優れた作品を知って、比較することで、良いゲームであるということが強く語れたりするじゃないですか。Xbox Oneで『Sunset Overdrive』を遊んでいないと語れないこととかもあるんですよ(笑)。なので皆さん買いましょう。

ケンちゃん:浅葉さん、「Xbox One Xを持ってないゲームメディアのライターや編集者は信用できない」とかいつも言ってるけど、半分本気だと思ってるよ(笑)。

浅葉:僕がXbox狂というわけではないですよ(笑)。どのハードも大好きなだけなんです(笑)。

松井:ごめん、僕は最近やっとXbox One Xを買ったよ(笑)。『Forza Horizon 4』サイコー!


▲『Forza Motorsport 7』と『Forza Horizon 4』同梱のXbox One X
 

浅葉:ムネタツさんともあろうお方が!(笑) 龍田くんの所有ゲームハードはどのあたりですか?

龍田:現行ハードだとはPS4、Nintendo Switchあたりですね。後はファミコンやスーパーファミコンなどの過去ハードも現在進行形で揃えています。

松井:Xboxは持ってない、と。……ふうん(笑)。

浅葉:若手に変なプレッシャーかけるの止めましょう(笑)。

どうやってゲームライターになるか

ケンちゃん:この座談会、ライターになった経緯がみんなちょっと変わってますね(笑)。参考になるのだろうか。

浅葉ゲームライターになるのに、資格なんていらないんですよ。どうすればなれますかみたいな質問がよく来るんですが、名刺作って、人に見せられる記事がひとつでもあればもうゲームライターですし。

松井:僕も個人的にライター募集をかけたりしてるんだけど、そういうときに何かしら記事のようなものをすぐに出してもらえると仕事につながりやすい。ブログや、サンプル記事でもいいから、とりあえず書いてみる、書いておくことが大事だね。

ものすごい名文である必要はなくて、そこに熱や丁寧さがあれば、道が開けるんじゃないかなあ。今は本当にライターが足りていないので、「なりやすい」のは間違いないかも。

龍田ゲームの記事の仕事をやりたいと営業したときに、意外とすぐ手ごたえがあったので、それは現状書き手が足りていないからなのかもしれませんね。僕は書きながら覚えたことも多いので、とりあえず飛び込んでみるのも良いですよね。

ケンちゃん:丁寧な仕事というのは大事なのかもしれませんね。書けばめちゃくちゃPVがとれたり、雑誌の売り上げがあがる文豪、神ライターならともかく、そうではない場合は、いろいろ丁寧にやってみて向き不向きを確認しながら進むのが良さそうです。

松井さんは、編集もこなしていますけど、PVのとれるライターはやはり魅力的ですか?

松井:魅力的ではあるけど、今はPVを重視しすぎている気もする。良い記事=PVのとれる記事というわけではないし。評価としては重要な要素だけどねー。メジャーなゲームを扱うか、マイナーなゲームを扱うかで基本的なPVは違うし、いわゆる「バズ」を狙わない、実直な記事にも価値はあると思うんだ。

PVを意識した記事がずらりと並ぶメディアって、やっぱり面白みにかけるかなーって。理想は、いろんな記事の総合力で、メディアとしての人気を高めていくという形なんだろうけど……いやー、ムズカシイね。

――今、どのようなゲームライターが求められていると感じますか?

松井:いろいろなジャンルでゲームライターが足りていないなと感じるけど、とくに求めているのは専門性が必要なeスポーツの分野かなあ。プロゲーマーと呼ばれるハイレベルなゲームプレイをする人たちの戦いを、どうレポートするかという話になったときに、かなり高度なゲーム理解力が求められる。

過程を抽象的に説明したり、端的に結果をつらつら&ふわっと書いても記事にはなるけど、ゲーマーが納得するように仕上げようとすると具体的な部分も書いていかないといけないし。

浅葉:eスポーツはゲームライターなら押さえておきたい分野ですね。そこを専門にしないまでも、大きな動きのひとつなので、注目していて損はないと思います。

龍田:eスポーツもそうですが、ゲームを遊んでいる人に焦点をあてられるライターというのは求められている気がしますね。あとは、少し変わった切り口からゲームの魅力を伝えられるライターでしょうか。


▲こうしたeスポーツ大会の写真であれば、ライターが自前のカメラで撮影することが多い
 

ケンちゃん動画に出られるゲームライターというのも求められていると感じます。今は記事だけではなくて、動画でゲームの魅力や攻略を紹介する時代なので。人前に出るのが得意な人は、動画との向き合い方を模索するのもよさそうです。

――ゲームライターに必要なスキルというと、何が思い浮かびますか?

ケンちゃん締め切りを守ることと連絡がとれることですかね(笑)。ゲームライターの仕事って、メチャクチャなスケジュールで振られることも多い気がするけど(汗)。

あとは、ほどほどに文章が書けること、とか。最近のゲームライターに求められる仕事って取材ものが多いから、カメラの扱いくらいは少しだけできたほうがいいのかな。

浅葉:カメラはできると重用されるだろうね。ただ、記事の種類にもよりますけど、カメラマンを使ってくれよと思う案件も増えました。コストカットの流れで、カメラマンじゃなくライターがカメラを持って撮影までするという現場が増えたんですけど、それじゃ物足りないと感じるときも多いんですよ。

eスポーツの現場を熱っぽく撮影したい、インタビュー中のクリエイターの写真を格好よくとるとかいうのは、やっぱりカメラマンの領分だと思うんです。予算をかけろ! ケチるな(笑)。

ケンちゃん:浅葉さん自分でカメラやってる記事も結構ない?

浅葉:僕は自分でカメラやるときは、だいたいハッタリの一眼やコンデジを持っていって、実際はiPhoneで撮った写真を使うことがほとんどですね(笑)。最近のiPhoneは凄いんです。


▲浅葉氏の「外回りセット」がこちら。自らカメラを担当する場合は、「取材相手に気分よくいてもらうために、それっぽいカメラを持っていく」とのこと
 

松井:思わぬ種明かし(笑)。でも確かに、イベント取材をお願いされることは増えたね。ゲームショウや発表会だけじゃなくて、最近はeスポーツの流れもあって、ゲーム大会の取材依頼が多くなりました。そこでライターがカメラを持って撮影するということも増えている気がする。

カメラがちょっとできたほうが良いというのは間違いないかもしれません。ほかに、ライターに必要な機材って、何か思い浮かぶものある?

龍田:僕も皆さんと同意見で、優先度の高いレコーダーなどの機材を用意して、執筆案件が増えてきた段階でカメラも購入すれば良いと思います。

ケンちゃん:PCとスマートフォンがあればなんとでもなりそうですね。コンシューマーゲームの記事をやりたい人は、ゲーム画面を撮影するキャプチャーボードとかでしょうか。ボイスレコーダーも今はスマートフォンで事足りますからね。ちゃんとセキュリティができてればという前提ですけど。僕は簡単な原稿も、スマートフォンで書いてしまうことが多いです。

浅葉:僕はゲームレビューをやることが多いので、とりあえず現行のゲーム機はほぼ持っています。Xbox One X Project Scorpio エディションの予約戦争に敗北しそうになったときは、ゲームライターやめようかと思いました。

松井:極端すぎる(笑)。でも、ハードはなるべくあったほうがいいよ。いろいろな仕事に対応できるし。僕も現行のハードはひととおり揃えてるかな。

龍田:専業だと対応できる仕事の数を増やしたほうが良いかもしれませんね。あとゲーム業界の最新動向をキャッチする感度というか、つねに新しい情報はチェックするアンテナもやっぱり求められると思います。メジャーなゲーム情報サイトはちゃんとチェックすべきですし。

――そろそろ時間もなくなってきました。最後にゲームライターになりたい人へのメッセージ等お願いします。

ケンちゃん:ゲームライターって、稼げるか、稼げないかでなる仕事ではない、と断言していいかな。なので、興味のある人は、副業やアルバイト感覚で気軽にエントリーして世の中のゲーム記事を増やしてほしいです。

浅葉:僕は30半ばを過ぎて、ゲームの話ができる仲間が周りにたくさんいる今がとても楽しいです。自分のゲームコミュニティを拡張できる仕事でもあるので、ゲーマーの方は選択肢のひとつにしても良いのかなと思います。

龍田:今日は、ためになる話がたくさん聞けて良かったです! これからゲームライターとしてやっていこうという人がいたら、一緒に頑張りましょう。

松井:本当にライター、足りてないと思う。ゲーム好きなら楽しい仕事だよ。こうして自分が30年以上続けてるのも、「楽しいから」に尽きる。自分で提案した記事の反響が大きいと、ホントに嬉しいしね。文章力なんて数をこなせばどうにかなるから。皆も怖がらずに飛び込んでおいて!

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