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『フォートナイト』日本語版プロデューサーインタビュー! 戦略性を広げる建築要素や、ユニークなエモートは「遊び心によるアイディア」だった!

『フォートナイト』には、「ハスク」と呼ばれるモンスターからの脅威を排除すべく、ヒーローたちが平和をかけて戦う「世界を救え」というメインモードが用意されているが、基本無料で遊べるバトルロイヤルモードの存在なくして、日本をはじめとする世界各国での爆発的な人気はなかったといえるかもしれない。

攻撃と防御に活かせる「建築」の要素をバトルロイヤルに織り込んだ経緯や、プレイ中の楽しさを表現できる豊富なエモートダンスの導入、マルチプラットフォームによる展開を決められた理由などを、日本語版プロデューサーであるロブ・グレイ氏にたっぷりと伺った。


▲Epic Games 『フォートナイト』日本語版プロデューサーのロブ・グレイ氏

 

建築要素はもともと「身を守るため」のものだった

――『フォートナイト』企画の発端についてお聞かせください。「建築」などとてもユニークだと思ったのですが。

ロブ 建築というアイディアについては、「世界を救え」モードの開発が数年前に始まったとき、ハスクたちから「身を守る」ために壁を作ったり、罠を仕掛けることができると面白そうだなという考えから採用しました。

バトルロイヤルモードの開発に入ったとき、素材を集めて建築するという要素をこちらにも入れてみたら面白いかなと思ったんです。壁に窓や扉を付けたり、アーチ状の階段を作ることもできるので、いろんなプレイヤーの動画を見て「それどうやって作ったの?」って驚かされることも多いです。


▲「世界を救え」の日本語版(早期アクセス)も8月にリリースされた
 


▲フィールドにある樹木や建物といったオブジェクトを破壊することで、木材、石材、金属といった建築素材を入手し、攻撃・防御用の壁やタワーを建築できるのが大きな魅力だ
 

――バトルロイヤルモードは無料で楽しむことができますが、これは当初から決められていたのでしょうか? 「世界を救え」モードを楽しんでもらうための導入かなと思いまして。

ロブ 社長のティム(・スウィーニー氏)がそこまで深く考えていたかはわかりませんが(笑)、去年の7月にロンチするとき「無料で出したら面白いよね」ということで決めました。『フォートナイト』の課金要素はスキンやグライダーで見た目を変えるだけであり、ゲームがよりユニークにするためのものなので、お金をかけて強くなるということは一切ないというスタンスでずっとやっています。

こうしたフェアなところが好きだとプレイヤーのみなさんには仰っていただいてますし、我々もロンチから大事に思っていたので、この考えは正しかったと思ってますね。


▲アイテムショップで販売されているコスチューム、グライダー、ツルハシ、エモートが日替わりで提供されている。自分の好みにあったものがラインナップされた場合は、買い逃がさないようにしておこう
 

――「Unreal Engine4」のプロモーションという面もあるのでしょうか?

ロブ プロモーションというほどのものではないと思いますね。これは個人的な意見ですが、我々はゲームエンジンを作りながらゲームも作っているので、「ゲームと『Unreal Engine4』の両方が良くなっていく」という印象を持っています。面白いゲームを作っていきたいという思いもまた、ゲームエンジンの技術につながっているところがありますね。

 

――ずばり、ここまでの人気になった理由はなんだったと思いますか?

ロブ コミカルなグラフィックと世界観なので、何をしても笑えてしまうのが良いところだと思っているんです。

最近ユニークだったものとして、ロケットランチャーのロケットに乗れる「ロケットライド」というプレイ動画をYouTubeなどで見た人も多いと思いますが、じつは社内でも有名なバグだったんですよ。地面に潜れるバグなどは早めに直しますが、「ロケットライドは面白いからいいじゃん!」ということで、わざと残したんです

機種差の弊害をなくす「マルチプラットフォーム」の信念

――PCやiOS以外にも、PS4とNintendo Switchなど、マルチプラットフォームで展開されていますが、これも当初から決められていたのでしょうか?

ロブ 社長のティムが理想として目指しているもので、友達同士で遊ぶ際にデバイスを問わないことが大事だと思っているんです。

たとえば、Aというハードを持っている友達と一緒に遊びたいけど、自分はBというハードしか持ってないから遊べないっていうのは寂しいですよね? なので、Epic Gamesとしてはマルチプラットフォームをプッシュしています。

いろんなプラットフォームで開発できるような環境を「Unreal Engine3」から作っているので、「Unreal Engine4」ではその技術をリファインし、いろんなプラットフォームで開発しやすくしています。

――日本ではNintendo Switchでも配信されたことで、プレイヤーの年齢層が広がったような印象があります。

ロブ ゲーム内では「倒された」という表現にしていますし、撃たれても出血表現がないので、安心して遊んでいただけますね。

アメリカに出張したとき、僕は『フォートナイト』のロゴTシャツを着てレストランに行ったんですが、親子連れに「スタッフの方ですか? いつも楽しんでいますよ」って声をかけられたんですよ(笑)。子供にコーチをつけたお母さんがいるというニュースを見ましたが、じつは子供と一緒に楽しみたいご両親がコーチを受けているというケースもあるぐらいなんです。


▲他のプレイヤーに倒されると、小さなUFOに回収されるというユニークな表現でフェードアウト。悔しい思いをしても、気持ちをすぐに切り替えられる
 

――YouTubeではエモートダンスを踊る動画がいくつもアップされていますが、この盛り上がり方はすごいですよね。

ロブ ネットで流行ったものや昔のテレビ番組でよく見たようなダンスをオマージュしたり、遊び心を持ことが大事だと思ってます。エモートは自分の喜びを表現するために用意したのですが、いろんな種類があったら楽しいのかなと思い、数が増えてしまったんです(笑)。

他のプレイヤーを煽るといったネガティブな使われ方は好ましくないので、基本的にはポジティブなものばかりを用意しています。

遊ぶことを楽しむプレイヤーと、遊び心を忘れないスタッフの相互関係

――シーズン4からはマップに隕石が落下した形跡や、空中には謎の割れ目ができるなど、公式では語られない謎を解き明かそうとするファンも多いですね。

ロブ 我々としては「世界を救え」モードとバトルロイヤルモードの世界観を「面白く繋げられるといいよね」と思っているので、あくまでもテーマとしてコラボレーションするぐらいなんです。

隕石の落下後、人気の降下地点である「ティルテッドタワー」をボロボロにしましたが、建物の屋上に「ティルテッドタワーを守れ!」と書かれた看板を配置し、住民たちがデモをしたような形跡を残したんです。

こうした細かいところでの遊び要素や変化を加えることで「プレイヤーがどういう反応をするんだろう?」と、開発側は楽しみにしつつ、コミュニケーションしているんですよ。


▲隕石の落下によって壊滅状態となっていた「ティルテッドタワー」。シーズン5では修復もだいぶ進んだようで、かつての光景を取り戻しつつある
 

――ショッピングカートやオールテレインカートといったユニークな乗り物が追加されましたが、普通の自動車ではないところに『フォートナイト』っぽさを感じました。

ロブ プレイヤーさんから「乗り物があったら面白いのに」という声を多くいただいていたんですが、『フォートナイト』としては何か変わったものを入れたいなと思ったんですよ。まるでギャグみたいですが「車に乗りたいの? じゃあこれは?」ということでショッピングカートを追加しました。

オールテレインカートだってイメージ的には遅いですが、デュオやスクワッドでは運転手以外のプレイヤーがエモートで踊ることができますし、操作を誤って転倒しても笑って済ませられるので、これも『フォートナイト』っぽさだと思ってます。
 

ショッピングカート(『フォートナイト』公式チャンネル)


 


▲建築したジャンプ台や崖から勢いよくダイビングすると、飛距離やスピードが表示されるのも「遊び心」のひとつ。シーズン5から増設されたサーキット場ではATKでのレースやタイムアタックを楽しむことができる

プロモーションやコラボレーションは「お互いをリスペクトしあえる関係性」を重視

――海外ではNinja氏、日本ではYamatoN氏(DeToNator所属)といったTwitchストリーマーによる宣伝力も『フォートナイト』の人気を後押ししたのではないでしょうか?

ロブ 『フォートナイト』の配信をいろんな人に見てもらえるだけでも宣伝になりますし、Twitchの最大同時視聴者数を記録するなど、お互いプラスになっていますね。

先日のE3でNinjaにお会いしたのですが、彼はプレイだけではなく喋りも上手いので、エンターテインメントとしては配信者のキャラクターも大事なんだなと思いました。アメリカはネット宣伝とTwitchがメインで、テレビCMは放映していないんですよ。

――日本ではプロモーションにTOKIOを起用し、コスチュームに身を包んだメンバーたちが出演するテレビCMが先日から放映されていますね。

ロブ 彼らを起用したのは、イメージとしてカッコいいという理由ですね。CM撮影の現場には僕も立ち会ったんですが、楽しそうに『フォートナイト』をプレイしているのを見て、本当に嬉しかったですね。「久しぶりに楽しい撮影ができた」と監督も言ってましたし、自分もずっと笑いっぱなしでした。



▲CMの放映期間中は新宿駅や池袋駅にてデジタルサイネージを掲示し、TOKIOのメンバーがエモートダンスを踊る光景が映し出されている
 

――プロモーションといえば、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」』とのコラボレーションも話題になりましたよね。

ロブ うちのスタッフは子供の頃からマーベルの作品が大好きで、マーベルのゲーム開発スタッフも『フォートナイト』を好きで遊んでくれていて、お互いに何か楽しいことができればいいよねーなんて冗談っぽく話していたのがきっかけでした。

弊社としても『フォートナイト』の世界観やストーリーを楽しんでいるので、あまり頻繁にコラボレーションを実施する予定はないのですが、機会があれば、またやるかもしれません。

ただ、「何かとコラボレーションしなきゃいけない」という考えや「最初からコラボレーションを目的としたコラボレーション」はやりたくないんですよ。お互いのタイトルをリスペクトしあえる関係性と、「一緒にできたら楽しい!」という親和性、そしてプレイヤーさんに楽しんでもらえるかどうかが大事なので。
 

インフィニティ・ガントレット|期間限定コラボ(『フォートナイト』公式チャンネル)

 

世界基準でありつつも、日本のファンを大事に

――日本のプロゲーミングチームやプロモーターから「リーグを開催したい」という問い合わせはいくつか来ているのでしょうか?

ロブ 基本的には遊びとしてのトーナメントは許諾しており、内容によっては「どうぞお好きにやってください」というものもありますし、カスタムマッチを組めるプライベートサーバーの権限をお渡ししたりしていますね。今年の「東京ゲームショウ」では『フォートナイト』の大会が何らかの形で実施されると思います。詳しいことは近いうちにお知らせできるでしょう。

――イベントや大会といえば、7月14日から8週間に渡って「Summer Skirmish」を開催されていますが、2018年~2019年のシーズンでは「Fortnite World Cup」を実施することを発表し、1億ドル(約110億円)という賞金総額も話題になりましたね。

ロブ 『フォートナイト』が世界で人気になったと同時に、eスポーツの話もいっぱい出てきたので、プレイヤーさんに期待してもらえるような大きいイベントも何か作りたいと思っていました。

誰でも参加できるというフェアな部分は大事にしてますし、『フォートナイト』らしくやりたいという気持ちが強いですね。グローバルで行いたいのですが、日本での開催については現在検討中です。それ以外にも、プラットフォームの平等性や各国での足並みをどう揃えるのかという課題も残っていますが、ぜひとも日本のプレイヤーさんにも出場してほしいので、なんとか実現できるように頑張っています。


2019 フォートナイトW杯の告知(『フォートナイト』公式チャンネル)

 

――最後に日本のプレイヤーさんに向けてメッセージをお願いします。

ロブ これだけ多くの人に楽しんでいただけて本当に嬉しく思います。もっとたくさんの人にTwitchなどで配信をしてほしいですし、それをどんどん見てもらいたいですね。日本のファンからのフィードバックも大事に聞いていますし、毎週のようにアップデートをする意気込みですので、これからもまだまだみなさんに楽しんでいただけるように考えています。


Epic Games『フォートナイト』公式サイト

©2018, Epic Games, Inc. Epic、Epic Games、Epic Gamesロゴ、Fortnite、Fortniteロゴ、Unreal、Unreal Engine 4およびUE4は、米国およびその他の国々におけるEpic Games, Inc.の商標または登録商標であり、無断で複製、転用、転載、使用することはできません。

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