ページトップへ戻る

【ゲームレビュー】懐かしい『メガテン』の空気を忘れられない僕がハマった、『真・女神転生IV FINAL』の魅力を語ろう

著者:ゲーム★マニアックス編集部

シリーズのナンバリングタイトルとしては、初の携帯機ハードで展開された『真・女神転生IV』(以下『IV』)は、ストーリーの流れがやや駆け足で、冒険の間に起きる出来事につながりを見出すのが難しい作品だった。唐突に登場する新しいデザインの悪魔たちは、僕を混乱させ少し揺さぶった。決して不出来なRPGではない。ただ、少し物足りない。同作に、似たようんな感想を抱いたプレイヤーも少なくはないだろう。


今回の記事で紹介する『真・女神転生Ⅳ FINAL』(以下『FINAL』)は、このようなもやもやとしたもの、つまり”Ⅳ”で多くのファンが感じた物足りなさを、完全にケアしようと務めた傑作なのである。

物語の世界観は継承しているものの、そこで繰り広げられる物語はまったくの別物。ストーリーの流れは、緩急つけつつプレイヤーを引き込み、絶妙な形で伏線などを回収していく。

さまざまな対立軸を持つ人物や団体が織り成すドラマは、見応えたっぷりだ。新デザインの悪魔も、物語の中で特別な役割を強調することで、違和感を払拭している。

バトルバランスも格段に良くなり、敵の種類もべらぼうに多いので、ボス戦だけではなく通常戦闘もやり甲斐がある。初見のラストダンジョンはやりすぎかと思うほど広かったり敵が強かったりしたが、どこか懐かしいアトラステイストを感じて嬉しくなってしまった。

携帯機で遊べるものとしてはもちろん、他の据え置きハードのコマンド選択式RPGと比較しても、これほどゼイタクな作品はなかなかない。据え置きハードのスペックを活かした表現がなくとも、ナンバリングタイトルにふさわしい『真・女神転生』(以下『メガテン』)シリーズを作ることは可能なのだ(また、ニンテンドー3DSやWiiUのような、2画面というのは実にRPGと相性が良いこともわかるはず)。

また、本作はただ物語を楽しむというだけでなく、やり込み、寄り道的な要素も充実している。幅広い育成にアイテム収集、いろいろな悪魔が登場するクエスト……。これらに取り組むだけで、本作のボリュームに驚くだろう。

好きな悪魔を鍛えに鍛え、エンドコンテンツに挑むという遊び方もできる。そのうえ、まだ物足りないという人に向けて、充実したDLCも用意されている。中には有料のものもあるが、本編のボリュームが膨大なため、これなら購入してもいいだろうと納得させられる。


▲一部悪魔は、過去作から大胆なデザイン変更が行われている
 

もし、『IV』でシリーズを離れてしまったという方がいたら、騙されたと思ってこの『FINAL』を遊んでみてほしい。

本作はひとつで独立した作品となっているため『IV』未プレイでも、物語を十分楽しむことができる。一部のキャラクターや設定は継承されているので、より深く本作を楽しみたいというのであれば『IV』にも触れておくことをオススメする。

前述のとおり、ちょっと物足りなさを感じるという人は、レベリングDLCを活用して育成を素早く終えて、エンディングまで突っ走るといい。

ちなみに、本作を最大限に楽しめるのは、シリーズ作品を網羅してきている人だろう。DLCとして配信されている「金剛神界の救世主たち」というコンテンツは金剛神界というフィールドで、過去の『メガテン』シリーズの主人公たちと共闘できるものになっている。

ネタバレ要素を含むため、遊ぶのは本編クリア後を推奨するが、『メガテン』ファン、もしくはかつてそうだった人は、かなりグッとくる内容になっている。


▲シリーズファンをどきりとさせる「スティーヴン」は本編にも登場する
 

自分では『メガテン』にうるさいタイプのプレイヤーだと思っているが、本作の作り込みにはすっかりやられてしまった。宗教や思想の対立という『メガテン』らしさのうえに、やや今風の装飾をほどこしながら、丁寧に敷かれた物語にグッときたのだ。

古い『メガテン』シリーズからの、前向きな進化と変化がみられる。ヒロインたちのあざとささえ感じる可愛らしさは『ペルソナ』シリーズに通じるところもあるが、想像力を掻き立てるダークな部分にドキリとさせられることも少なくない。

そして、随所に溢れるファンサービスもたまらなく良い。難度設定を変更すれば、ときどき理不尽ささえ感じるアトラスライクな歯ごたえを楽しむこともできる。現在は、難度を変えて、3周目を、コツコツと遊んでいる。僕が今、ニンテンドー3DSでプレイしているのは、『世界樹の迷宮クロス』と『FINAL』ばかり。どちらも歯ごたえ満点のゲームで、クリアしたのにまだ飽きはこない。

ときどき、ゲーマーの友人に、このふたつのソフトをプレイしながらプレゼンしているが、なかなかウケはいい。


▲本作のヒロイン的立ち位置のアサヒ。『メガテン』シリーズとしてはかなりド直球な可愛らしさが印象的
 

現在、リリースされている『メガテン』ナンバリング最新作は、この『FINAL』だが、Nintendo Switchで『真・女神転生V』が発表予定だ。『FINAL』の出来栄えをみていると、新作にも期待できそう。

最近の『メガテン』『ペルソナ』シリーズの多くに採用されているプレスターンシステム(相手の弱点をつくことで、行動回数をコントロールする戦闘システム)はかなり完成度の高いものになっているので、新作では新たな試みにも期待したい。


文●浅葉たいが
 

真・女神転生IV FINAL
ジャンル:RPG
プラットフォーム:ニンテンドー3DS
価格:6480円[税別]
発売元:アトラス

公式サイト:http://megaten4f.jp/

©ATLUS ©SEGA All rights reserved.

 関連記事

閉じる