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【ゲームレビュー】今の『ストリートファイターⅤ』の話をしよう

著者:ゲーム★マニアックス編集部

『ストリートファイターⅤ』は、発売から2年以上が経過した今も、多くの格闘ゲーマーに遊ばれ続けている人気作品である。対戦格闘ゲームのeスポーツ化の流れを牽引するこのビックタイトルは、格闘ゲームの最前線として走り続けている。今回の記事では、格闘ゲーム好きが揃うゲーミングコミュニティ・ゴジラインの浅葉たいがが、本作の魅力を今と昔を比較しつつ語る。


やっぱり『ストリートファイター』って最高だ

本作は、とても遊びやすい格闘ゲームだと思う。波動拳、昇龍拳、竜巻旋風脚といった必殺技コマンドは、ほとんどの2D格闘ゲームに共通するフォーマットで、この部分に敷居の高さがあるのは事実だが、ここさえクリアしてしまえばゲームの面白さをつかむのにそう時間はかからない。格闘ゲームになれたプレイヤーなら、コンボ(連続技)やちょっとしたセオリーはすぐに理解し、発揮できるゲームデザインとなっている。

キャラクター別の動きはそれほどエキセントリックではなく、近距離での打撃と投げを使い分けた攻めもシンプルでわかりやすい(初期のバージョンでは、様々な複合投げ抜けが見つかったためやや煩雑だったが、現バーションではこの駆け引きがシンプルになっている)。投げを意識させて投げ抜けを誘い、そこに打撃を叩き込むという揺さぶりができるようになれば、劇的に対戦が面白くなる。

こう書くと、格闘ゲーム経験者のアドバンテージが大きすぎるゲームというふうに見られるかもしれないが、一見やや大味とも見られる逆転性の高いゲームデザインや、完封させるシチュエーションの作りにくさもあり、初心者がスキルアップしつつ楽しめる作品にもなっている。実際、本作から格闘ゲームを始めたというプレイヤーにもよく会う機会がある。

そんなわけで、僕はこの作品の発売当時、某メディアのレビュー記事を興奮しながら書いた。発売時の本作はいろいろな問題を抱えていたので、甘口のレビューと言われることもあったが、それを補って余りあるほど本作の対戦が熱かったからだ。


▲『ストリートファイター』シリーズの伝統である、飛び道具で相手のジャンプを誘い、対空技で迎撃するという「飛ばせて落とす」戦術を取れるキャラクターも存在する。(『ストリートファイターⅡ』ほどこれがメインになるわけではないが)キャラクターの動きや固有システムががそれほどエキセントリックではないため、非常に遊びやすい。


▲密着状態での、「打撃」と「投げ」を使い分けた攻めは、本作の軸とも言える駆け引き
 


▲相手の投げ抜けを読んだら、攻め側は「後退」を選択するのも戦術の一つ。相手の投げ抜け間合い外に出ることで、暴発した投げを空振りさせ、反撃を叩き込むことができるのだ
 

発売当時は、本作のネガティブな面がよく話題に上った。ストーリーモードがあまりにも簡素だったり、ロード時間がやたらと長かったり、ゲーム内通貨と呼ばれる「ゼニー」というものが構想通りに運用されなかったり。ほかにもいろいろあるだろうが、対戦外の部分がちょっと目についてしまった。

大会のスケジュールや納期など、いろいろな問題があったのではと予想しているが、ユーザーからすると発売を急ぎすぎた感が否めない作品という印象だった。

しかし、それでも本作は僕にとって、また、多くの仲間の格闘ゲーマーたちにとって、特別なゲームであり続けた。

オンライン部屋で不自然にネットワークから弾かれてしまうこともあったが、ひとまず試合が始まれば、ほぼストレスのない対戦ができる。この「面白い対戦ができればそれで良い」という感覚は、格闘ゲーマーには珍しくないものだと思う。贅沢なストーリー、充実したチュートリアル、コミュニケーション機能、初心者への導線などがまったくなくても、対戦が熱ければ帳消しでもいいと思ってしまうのだ(歴代『ストリートファイター』を詰め込んだ『ストリートファイター 30th アニバーサリーコレクションインターナショナル』が、日本語のローカライズ対応で発売が遅れると聞いたとき、僕は「対戦できればローカライズなんて要らないから、遅れないでほしい」とすら思っていた。結果として、ローカライズされてこの秋発売されることは、とても嬉しいニュースだが)

ゴジラインで勝手に攻略記事をやり始めたのも、この面白さを少しでも多くの人に知ってもらいたいという想いがあったからだ。実際、本作の対戦シーンは、発売直後のそういった不満を帳消しにするほど、大いに盛り上がっていた。


▲対戦さえできればそれでいいと思わせてくれるほど、本作の対戦は面白かった。発売時点で、プレイステーション4とPCのクロスマッチングに対応していたのはスゴイ。このクロスマッチングには、一部環境でインプットラグの問題が起きると話題になったが、現在は快適に動作している
 

それから2年が経過し、現在はシーズン3を迎え、タイトル名も『ストリートファイターⅤ アーケードエディション』となった。

キャラクターも随分と増えた。そして、先に挙げた発売当時の問題点が、今ではかなり良くなっている。ロード時間は劇的に短くなり、見ごたえのあるゼネラルストーリーモードも増えた。各キャラのコンボを教えてくれるモードでは、なかなか実戦的な技術を練習させてくれる。

先日は、コミュニティを作れる「道場」という機能も追加された。コミュニケーションや対戦への導線を少しでも増やそうという試みだろう(ゴジラインの道場「Goziline」では、先着でメンバーを募集中です。お気軽に!)


▲2018年9月のアップデートでゲーム内チームを組める「道場」機能が追加された
 


▲ゲーム内のキャラクター別の練習項目も、かなり対戦を意識したものになってきている
 


▲キャラクター別の特殊能力とも言える「Vトリガー」は、逆転要素の高いシステムとなっているが、ここからのコンボや連係も、それほど難度は高くない
 

僕はこのゲームを、ほそぼそとだが、ずいぶんと長く遊んでいる。最近、とくに上達している気配はないけれど、対戦をメインに楽しんでいる。本作の場合は、ただ遊ぶだけでなく、観戦も魅力的なコンテンツのひとつだ。カプコンプロツアーや大規模な大会など、世界中の猛者たちが戦うイベントは見ごたえ十分。海外時間に合わせて開催されていても、ついつい見てしまう。

最近は、他のゲームもeスポーツを意識していろいろなイベントを開催しているが、『ストリートファイターV』はやはりその大会の数も規模も別格だ。プロゲーマーが真剣にやっているから、みんなが熱く対戦しているから、自分の少しやってみようと思わされる。なんか盛り上がっているから買ってみたという人は、僕の周りでもずいぶんと多いので、格闘ゲームのeスポーツ化の流れにはちょっと期待している(メーカーが主催する大規模な大会というのは昔から楽しいもので、現在はe-sportsと名前がついただけ、くらいのものに認識しています。急激なe-sports化の動きには、ちょっと戸惑っているプレイヤーもいると思いますが)


▲シーズンごとに新キャラクターが追加されていくのも嬉しいポイント。シーズン3の新キャラはちょっとパワー不足なキャラが多い印象もありますが、動かして面白いのは確か
 

キャラクターのアクションや対戦の駆け引きの好みはあるので、本作が「なんか合わない」という人も多いだろう。しかし、そう言った好みを別にすると、わかりやすさ、対戦へのシンプルな導線、オンライン対戦のレスポンス、クロスマッチング、参戦や観戦が盛り上がるイベントの数などの点において、本作に並ぶ作品はなかなかないことも確かだ。そして何より、イベントやコミュニティに活気がある。

そんなわけで、今から格闘ゲームを始めたい人、久々に格闘ゲームを遊んでみたい人がいるとしたら、僕はまず『ストリートファイターⅤ アーケードエディション』をオススメする。好きなゲームのことを、忖度なく書けるコーナーということで、好き勝手書いてみました。ちょっと褒めすぎじゃないの!?と今回も言われるかもしれませんが。


▲オンライン対戦のレスポンスについて語るとき、「入力ラグ、インプットラグ」と呼ばれる、プレイヤーの入力がどれだけ遅延しているかを計測する数字が指標になることがあるが、本作はゲーム自体が「オンライン対戦」を考慮した設計(シビアな目押し、入力が少ない)になっている。オンラインとオフラインのプレイフィール本作でも異なるが、「ゲームが変わる」というレベルのものではないのが嬉しいところ。プロゲーマーらが参加するオンライン大会も盛り上がっている。


『ストリートファイターV アーケードエディション』公式サイト

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