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神々参戦も遠呂智は負けず!? 『無双OROCHI3』古澤プロデューサーインタビュー

著者:ゲーム★マニアックス編集部

コーエーテクモゲームスの新作『無双OROCHI3』の魅力や注目ポイントを、ボイス収録時のエピソードなどここだけの話とともに古澤プロデューサーに直撃した。


「無双OROCHI」シリーズは「真・三國無双」と「戦国無双」の両シリーズの世界が融合してしまった異世界を舞台に、それぞれの人気キャラクターたちがともに戦い、争う夢の競演を楽しめる内容だ。その最新作である『無双OROCHI3』がいよいよ発売を迎える(PlayStation4版、Nintendo Switch版は2018年9月27日発売予定、PC(Steam)版は2018年10月16日発売予定)。

本記事では、同作のプロデューサーである古澤正紀氏にインタビューを敢行。ゲームの魅力や注目ポイントを、収録時のエピソードなどここだけの話とともにお届けする。


▲古澤正紀氏(ふるさわ・まさき)『無双OROCHI3』プロデューサー。他の代表作に『無双☆スターズ』(プロデューサー)など
 

“全部入り”で170人! 収録も苦難の連続に

――まずは「無双」シリーズについて詳しくない読者のために、「OROCHI」シリーズと、「真・三國無双」、「戦国無双」の両シリーズとの違いや本作ならではの特徴を教えてください。

古澤 そもそも「無双OROCHI」シリーズは「真・三國無双」シリーズと「戦国無双」シリーズの“夢の競演”というか、ふだんは見られない組み合わせのチームでのバトルやストーリーを楽しむ作品としてスタートしました。そのため、登場するキャラクターの設定やアクションの特徴などは、元の作品である両シリーズにおけるものと同じにしています。

一方で、両シリーズもしくはいずれかのシリーズを知らない人がプレイしても、キャラクターの特徴がすぐにつかめるようにそれらをよりわかりやすくしているつもりです。

――前年に発売された『無双☆スターズ』もオールスター的な作品ですが、そちらとの違いはどんなところにあるのでしょうか?

古澤 『無双☆スターズ』は、「無双」シリーズというよりもコーエーテクモゲームス作品全体のコラボレーションという立ち位置の作品で、「各作品のよさを集めよう」というのが目的になっています。そのため、1作品、シリーズにつき厳選された数人ずつしかキャラクターは参加していません。

それに対して、『無双OROCHI3』は「すべてのキャラクターを楽しみたい」というユーザーの声に応えることを目的にしています。

そのおかげで、「真・三國無双」シリーズと「戦国無双」シリーズのキャラクター全部入り+オリジナルキャラクターで合計170という超大所帯になってしまったわけなんですが……。


▲総勢170名ものキャラクターたち。この全員が、それぞれプレイアブルキャラクターとして操作できるようになるのだ
 

――そのオリジナルキャラクターでは、今回“オリュンポスの神々”が参戦することになりました。彼らを採用することにしたのはどんな経緯があったのでしょうか?

古澤 もちろん、ベースになっているのは日本の戦国時代と中国の三国時代ですので、これまでの作品ではオリエンタルな世界観で進めてきました。しかし、前作からだいぶ時間が空いた(5年振り)ので、これまでの路線を継承するのか、新しい方向に舵を切るのかをあらためて考えることにしたんです。

それでスタッフ間で話し合った結果、よりわかりやすく新しいものを入れたほうがお客様の期待に応えられるのではないか、インパクトや意外性のある新要素を入れてみようと。とくに本作では“ファンタジーOROCHI”というコンセプトを掲げていたので、西洋神話の神々ならコンセプトにも合うし、ユーザーにもインパクト十分だろうと、採用を決めました。


▲アレスのインパクト満点のアクション!
 

――ちなみに、オリュンポスの神々以外にも候補はあったのでしょうか?

古澤 もちろん、ほかにもエジプトやケルト、インド系など、さまざまな神話をリサーチしていました。ただ、それらを横一線で並べてみたときに、“ゼウス”とか“アテナ”というのは、誰が見てもわかるようなネームバリューがありますよね。そういう理由もあって、その中からギリシャ神話と北欧神話がピックアップされたわけです。

――しかし、モデルありと言えど新キャラクターを作るに際して、従来の英傑たちとの差別化もたいへんですよね。

古澤 “なるべく”既存のキャラクターとは違うところに落とし込むことを狙ってはいます。ただ、数が多すぎるのである程度被る部分があるのはもう仕方がないかなとは思っていました。もっとも大事なのは、ユーザーの皆さんが“名前を聞いてイメージする姿”になるかどうかなんですね。

たとえば今回、ゼウスについては少し前に流行った“ちょい悪オヤジ”的な人物像に落ち着いたのですが、ネットなどで彼のエピソードを調べてもらうと誰もが抱きやすいイメージではないかと思います。

――確かにそうですね。かなり女性関係でもやらかしていますし(笑)。

古澤 その一方、ビジュアル面については西洋のキャラクターということで、服装はもちろんなのですがじつは体格や頭身も少し変えています。全体的に大柄で、アテナなども女性キャラクターとしてはかなり大きくしました。


▲ゼウスとアテナのビジュアルがこちら
 

――そうだったんですね! それは実際にゲームで確認したいと思います。それから差別化と言えばもうひとつ、キャストを選ぶのもたいへんだったのではないでしょうか。

古澤 キャストに関しては、コーディネーターさんにいろんな候補を出してもらってその中から選ぶようにしています。たとえば新登場のオーディンは“力に固執する、狂気を孕んだキャラクター”なので、そういった演技が得意な方を探しました。今回オーディンを演じてもらった荒井聡太さんは、まさにこちらのニーズに合致したという理由で選んだキャストですね。

――キャスト選びもたいへんですが、収録も人数的にボリューム的に、非常に苦労されたのではないかと思うのですが……。

古澤 収録現場からは毎日のように「間に合わないかもしれません」という悲鳴が上がっていましたね(笑)。忙しいキャストさんだと、スケジュールも分刻みで組まなくてはならなかったりして、高度なパズルのようになっていたようです。もちろん、物量もすごいので、「いつまでに収録すれば間に合う」と逆算してスケジュールを組むこともあって、われわれもドキドキしながら報告を受けていました。

――のべ170人ぶんですからね……。話を伺っているだけでも胃がキリキリしそうです。

古澤 でも、長く続いているシリーズだけあって、ずっと演じてくれているキャストさんは、限られた時間の中ですぐにどういうキャラクターだったかを思い出してキッチリと演じきってくれるんですよ。作中に登場するネタ的な掛け合いなども、その経験を活かして楽しんでやってもらえたりしていたのが印象に残っています。本当にありがたかったですね。

――スタジオを押さえるのもたいへんですよね?

古澤 数ヵ月にわたって押さえていたりしていました。そのあいだ、担当者も出ずっぱりで会社でほとんど見掛けないという(笑)。ずっとスタジオに詰めてがんばってくれていました。

――なお、おひとりあたり、どのくらいのボイスを収録しているのでしょうか?

古澤 総量としては“膨大”としか形容できないほどなのですが、ひとりあたりだとだいたい1~2回の収録で録りきれるくらいのボリュームです。もちろん、兼ね役が多い方や今回のストーリー中の重要人物などはそのぶん多くなっていまして、予定表を見ると“昼全部”とか“夜全部”となっていて思わず震えが来ました。「夜全部って何だよ!」って(笑)。

――今回のボイスは全部録り直しているんですか?

古澤 全部ですね。

――アクション時の「えい!」などのボイスもですか?

古澤 それらもすべて収録し直しています。文言が同じだとしても、そのときにもっとも新しい演技を入れてもらうのが方針でもありますので。
 

“一騎当千の爽快感”と多彩なアクションの魅力

――続いてアクションなどについて伺っていきたいのですが、本作のアクションはどのようなところを重視して作られているのでしょうか?

古澤 本作に限らず、シリーズ全体のコンセプトである“一騎当千の爽快感”というものは大前提として存在します。敵兵を蹴散らしていく爽快感を味わえる基本があるうえで、今回は新たに“神術”という要素を採用しました。

もともとキャラクターたちはそれぞれに武器を持っているのですが、それとは別に神々の力を得た“神器”という武器を使って戦えるようになります。それを従来のアクションと組み合わせて新たな戦いかたを可能としたのが、本作の特徴です。

たとえば、敵を凍らせる魔法のような技を神器で発動させて、それから通常のアクションで追撃するとかですね。神術は基本的に元のアクションを活かすものになっています。

――神術は従来の“属性攻撃”とは違うものなのでしょうか?

古澤 属性攻撃とは違って、ボタンを押して別途発動することになります。好きなタイミングで通常アクションに割り込んだりと、遊びやすくするためのものですね。また、各キャラクターには“固有神術”と呼ばれる独自のアクションも用意していて、そちらはキャラクター性を活かしたものにしています。

たとえば、同じ”アルテミスの弓”という神器を使っても、服部半蔵であれば自らが分身して一点集中射撃をしたり、月英であれば兵器と組み合わせて広範囲に爆撃をしたり……なんてものになっています。


▲さらに、一部のキャラクターは“神格化”が可能に
 

――「真・三國無双」のキャラクターなら爽快感がパワーアップしていそうですし、個性派が集った「戦国無双」系キャラクターは見た目にも楽しめそうですね。

古澤 なお、神々の場合は持っている武器そのものが神器なので、通常攻撃自体がかなり強力になっています。まぁ、“神”ならではの優遇措置だと思っていただければ……。

あともうひとつ、合体技“合体神術”の要素も紹介させてください。見た目もハデで、威力も十分な技になっています。今回のアクションは、通常アクションをつなげると神術の威力が上がり、神術でうまく倒せると合体神術が発動しやすく、そして合体神術で豪快に敵をほふって最大の爽快感を得る……という、三段がまえの構造になっています。

――選択肢が非常に多くなっているんですね。

古澤 170人ものキャラクターが登場するので、通常のアクションだけでもじゅうぶん楽しめるようにはなっていますが、アクションをより深く楽しんでもらうためにそれらの要素を取り入れたというわけです。もちろん、無双乱舞や無双奥義といったおなじみのアクションも入っていますよ。

――そう言えば、神々の登場によってタイトル名でもある“遠呂智”の存在感はどうなるのでしょうか?

古澤 心配する声はいろんな方面からいただいているのですが、今回のストーリーの中でも遠呂智の存在は“効いてくる”ことになります。ただの一キャラクターに成り下がったりはしていないのでご安心ください。性能的にも強く、とくにオンラインマルチモードでは猛威を振るうと思います。

――それを伺って安心しました。

古澤 全員を同じ性能にするというのも現実的ではありませんし、個性を出しつつアクションを楽しめるようにしていますので、お楽しみにしていてください。

ただ、遠呂智も強いですが神々も負けてはいません。これまでできなかったアクションを入れていまして、たとえばアテナのイージスという盾では”石化して砕く”など特殊な攻撃方法も用意しました。多少クセは強いですが、それ以上に性能も高めになっています。もちろん、基本的にはどのキャラクターでもボタン連打だけで楽しむことも可能です。

――バトル中やシナリオ冒頭などの会話もシリーズの魅力のひとつですが、本作ではキャラクターも増えて、どのくらいのボリュームになっているのでしょうか?

古澤 今回は戦闘ではない“陣地”での会話にかなりのバリエーションを用意しました。収録した音声の半分以上はそこに使っているくらいです。前作『無双OROCHI2』とは違った組み合わせで会話が発生するようになっているので、ストーリーを進めるだけでなくそれらを探してみるのもおもしろいかもしれませんね。

ほかにも“武者修行”という要素を入れているのですが、修行から帰ってきたときに独自のセリフをしゃべるようにしています。さらに、出撃前に3人ひと組のチームを選択したときにもボイスが発生し、特殊な組み合わせでは専用の掛け合いが楽しめたりもします。とにかく、声には気を付けてプレイしてほしいですね。

――台本はどのくらいの量になったのでしょうか……。

古澤 キャストの皆さんそれぞれに合わせた台本を作るので、全部合わせるとどれくらいというのは正直わからないのですが、収録前の時期にはダンボールの山ができていました。印刷後の内容チェックだけでもたいへんでした。続編などでさらにキャラクターが増えたら、いったいどうなるのか想像するだけでも気が遠くなりそうです(笑)。時代を問わなければ弊社のゲームのキャラクターだけでも1000人は行きそうですから。

――ちなみに、ストーリー全体の構成はどのような形になっているのでしょうか?

古澤 ボリュームは多いのですが、それに触れてもらいたいという思いもあるので、全体としてはメインの流れが一本あり、それに枝葉となるサブストーリーがいくつか加わっていくというものになっています。構成としては非常にわかりやすいと思います。

また、隠しシナリオなどは入れておらず、ふつうにプレイしていればすべてのシナリオを遊べるようにしました。今回は世界観や全体のプロット、ストーリーの監修などを、ゲームデザイナー・シナリオライターの村山吉隆さんにお願いしています。群像劇が得意な方なので、170人をどう動かすかもともにしっかりと作り込みました。

――そのほか、注目のモードなどはございますか?

古澤 今回はストーリーのほかに“バトルアリーナ”というモードを搭載しました。これはいわゆる“オンラインマルチモード”で、シリーズ初となる3人対3人のオンラインバトルが楽しめます。ストーリーモードではそこまで気にならなかった、キャラクターのアクション性能だとか、相性による優劣などが問われることになるので、本編とは異なる熱さを体感できると思います。

一方、ストーリーモードでもオフライン、オンラインそれぞれで協力プレイをすることが可能です。Nintendo Switchでは“おすそ分け”でもプレイできます。
 

リアルイベントでのファンの反応に涙……

――今回、タイトル発表は“ω-Force20周年記念ライブ”で行われましたが、そのときの会場の反応はいかがでしたか?

古澤 私はゲーム開発に20年以上携わっているのですが、なかなかこういうイベントをする機会には恵まれていなかったこともあって、せっかくの機会だからと現地に観に行っていたんです。正直、この20年で一番感動しました。

アンコール時に本作を初公開したのですが、キャラクターがふたり出た瞬間に会場内の皆さんが察してものすごい歓声が上がり、あとはロゴや2018という文字が出るたびに会場が揺れんばかりに盛り上がってくれて……。涙が出ました。

――あの盛り上がりの裏で、そんな光景があったのですね。

古澤 ただ、まわりにいた会社のお偉方には「これでもう逃げられないな!」なんて念を押されてしまって、「そうか……」と急に現実に戻って追い込まれた気持ちになったりと(笑)。とにかくすごかったですね。翌日以降もTwitterなどで盛り上がりを見ていて、スタッフ一同モチベーションも上がりましたし、気が引き締まりました。

――発表の場は収録されないようですが、ライブの音源は『無双OROCHI3』の限定版である『TREASURE BOX』にCDとして収録されるようですね。

古澤 そうですね。当日来場できなかった方もたくさんいらっしゃいますし、「討鬼伝」の音楽など「無双」シリーズ以外のω-Forceタイトルのさまざまな楽曲が演奏された特別な機会でしたから、もっとたくさんの人に伝えるためにもそれを形にしてみたらどうだろうという試みでもあります。

――会社の方針はともかくとして、古澤さんご自身は『無双OROCHI3』でもリアルイベントをやってみたいと思っていますか?

古澤 どういう形でやるかというのが問題にはなるでしょうが、「OROCHI」は「真・三國無双」と「戦国無双」のキャラクターたちが作品の垣根を越えて掛け合うシーンが観られるという特徴があるので、それはファンの皆さんにも刺さるのではないかと思います。

――ソフトが売れて、ファンからの要望がたくさん集まれば実現しますよね?

古澤 ファンの方々が望んでいるのであれば実現の可能性はグッと高まると思います。私からはそれだけお伝えしておこうと思います(笑)。

――それでは、最後に今後の展開について伺いたいと思います。追加コンテンツなどの予定はございますか?

古澤 今回はシーズンパスを用意していて、その中でさまざまなコンテンツを配信します。もともとのキャラクターを活かして遊んでいただけるよう、コスチュームだとか新しい神器なども盛り込みました。詳しい情報については、なるべく早めに出そうと思っています。

前作から5年、PlayStation 4やNintendo Switchといったハードも広く普及して、いまなら新しい『無双OROCHI』を届けられる土壌ができたのではないかというところで今回のプロジェクトが動き出すことになりました。

開発側も待ち望んでいたタイトルでもありますし、非常に高いモチベーションで開発に臨んでいます。ただ、それだけに下手なものは作れないというプレッシャーとの戦いもありました。新しい変化、反対に変えてはいけないもの、そのふたつを意識しながら作り上げていった作品ですので、ぜひお手にとって楽しんでみてください。


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『無双OROCHI3』公式サイト

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